第15話 封印の経緯

「この姿だと久しいな」

「言ってもそんな経ってないけどな?」

「細かいことは気にすんな!それより話したいことは色々あるんだから座れよ」


錬成で簡易的な椅子を作って座る。


「仮初とは言っても肉体は肉体。この姿じゃ無いと封印の効力が強くて話せないことがあるから今のうちに話しておきたいんだ」

「色々謎なとこあるし聞かせてもらおうか」

「そうだな…まずは俺が誰に封印されたのかを話すか」


そう言うと暴食グラフェルは口を開いた。先程までのふざけた表情では無く真剣に語りだす。


「俺を封印したのは傲慢プライドって大罪の悪魔だ。そいつは自分が最強じゃないと気が済まない性格で唯一自分を抜かせる可能性がある俺を封印したんだ」

「最悪のやつやん」

「だろ?んでそれはまだそれは良いんだがな?少なくても1年後にお前を殺しにくるぞ、大罪の誰かが」


大罪が俺を殺しにくる?マジで言ってんのか?死ぬやん!俺死ぬやん!


「ガチで言ってる?」

「大ガチで言ってる」


大罪の悪魔は最低クラスで暴食グラフェル。その化け物を超える更なる化け物達に襲われるとなると現在の実力では無惨な死を使えることになるだろうと蓮兎の頭によぎった。


色欲ラストならワンチャン逃げるくらいならできるかもな」

「色欲って下から2番目だろ?それで逃げるだけでワンチャンとか無理じゃね?」

憤怒ラースなら俺の味方してくれるかもな、俺を封印するの最後まで抵抗してたし」

「でもそんな奴が殺しに来るとは考えずらいか…」

「まぁな」


蓮兎は頭をフル回転させ大罪を退けるための案を考えるがどんな案を思いついたとしても圧倒的強者の前に弱者は策を講じる事も出来ないことを実感する。


暴食おまえにも勝てる気が湧かないのに他のに勝てるはずが無いか」

「まぁ俺実質無限に成長できるしな!」

「調子に乗らせてしまった…」


実際に暴食グラフェルの権能は非常に役に立ってるしスキルが超優秀だから今まで生き残れた感あるしな…でもこのままじゃ弱いままだしどうすれば?


「あ、権能のアップデートしないとな」

「マジか!」

「えっと新しい権能は…魔喰いか」


名前 魔喰い

効果 魔法や魔力を喰らう事が出来る。食べた魔法は飲み込むと自身の魔力に、吐き出すと威力を増幅して使用する事が出来き何度も飲み込むと解析が進んでその魔法の使用が可能となる。


「また純粋に強いスキル来たよ」

「こんなので驚いてたら失神するんじゃねぇか?」

「そんな強いスキルあんの?!」

「大罪舐めんな、まだまだ序の口だぞ」


これレベルが…いやそれ以上の権能が解放されてけばワンチャンあるんじゃないか?1年以内にダンジョン攻略!


「ちなみに人類の最高到達点は48階層でそこまで攻略するのに19年掛かってるからな」

「…終わった」


蓮兎は膝から崩れ落ち床に手を当てて絶望する。


「お前には大量の固有スキルがあるだろ?そんなにスキルがあるのは人類で…いやこの世界で一握りもいないんだから自信持てよ」

「…本当に?俺1年で攻略できると思う?」

「悪魔と人間の時間感覚は違うし1年以上来ない可能性もあるし頑張れ」


既にSランク冒険者を超えたらしいスキル達を駆使すれば行けるか?もしくは鏡花達と合流して鏡花のバフでゴリ押すか?合流できんのか分からんけど。


「時間は有限なんだから早く進めよ、祠壊してから」

「ん?あぁそうだな、そろそろ行くとするか」


1年で攻略ならモンスターを殲滅してる時間無いか?ならメモを残すか…いややつぱ合流してパーティだ攻略を?鏡花達も強くなってるだろうし楽に攻略できそうだ。


「20層をクリアしたら鏡花達と合流するか」


ボロボロ…


錬成で祠を崩し部屋から去る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る