第1話 目標
最初は三人称視点から始まります。
===========
「はぁ……俺は何をしてんだろうな」
すでに日付を回った頃暗いオフィスに座っていた一人の男が呟いた
男の名前は
「はぁ〜やっと終わった……早く家に帰るか」
そんな彼であるが趣味はある、それは『ゲーム』だ。いわゆる廃人と呼ばれる人種である。
ようやく仕事が終わった彼は家に帰ろうと思って立ち上がったとたん倒れてしまった。そのあと彼が動くことはなかった一度もなかった。
◇◇◇◇◇◇
「うぅん……あれ?」
あれ?……俺いつ寝たんだっけ?確か糞上司から押し付けられた仕事を終わらせて家に帰ろうとした所までは覚えているんだが。
ひとまず起きるかと思って立ち上がった途端俺は自分の身体の変化に気がついた先ほどまでとは違い少し低い視点まだ柔らかい小さな手極めつけはまだ少し幼さを感じる声……もしかして子供になっている!?
「ど……どうして⁉」
待て……一旦状況を整理しよう。俺は残業から帰ろうと思って立ち上がったら突然眩暈がして倒れて起きたら見知らぬ土地で子供になっていたと言うことか……意味わかんねぇな!クソッタレ!まぁ冷静に考えたら信じられないがおそらく過労死からの異世界転生と言う鉄板コンボだろうな信じられないが(大事なことなので2回言った)まぁどんなに考えてもどうしようもないからな!ひとまず情報を集める所からだな!
と言うことで情報を集め終わりました一般通過転生者です。──ちなみに情報は捨てられた新聞や近くで会話を盗み聞きして手に入れた──とりあえず集めた情報をまとめるか。
まず俺が転生してきたこの世界に関してはどうやら現代日本らしい……(少し残念思ったのは内緒)しかし前の世界とは明確に違う所がある!それは……魔法がある!どうやら俺のいた世界とは歴史が違い第一次世界大戦の後にダンジョンが出現して人類は魔法が使えるようになったらしい。なお魔法はダンジョンの外でも使えるようだ。さらに魔法だけではなくて1人一つ固有の能力『異能』なんて物もあるらしい。
次に俺が最初にいたこの場所についてはいわゆるスラムである。ダンジョンが現れたことによって貧富の差が広がりこのような場所もできたようだ。
そして最後に俺の今の体について。おそらく10歳前後に見える。今はだいぶ服もボロボロだし体も汚いがかなりの美少年に見えるな、髪は白に近い灰色で瞳は綺麗な琥珀色う〜んこれは成長したら間違いなくイケメンになるな!
よし!情報も集め終わったしまずは魔法の練習からだな。魔法が使えるように頑張るぞぉ!
◇◇◇◇◇◇
俺が転生してから3年が経ちました現在13歳の
一つ目は情報は大事ってことだこの三年間このスラムで生きてきて裏社会の人間に何度か目をつけられて死にかけたが全て事前に情報を得ていたおかげでなんとか生き残れた。
そして二つ目はこの世界は俺がやりこんでいたゲームの世界である可能性が非常に高いと言うことだ!主人公を見るまで確定ではないがほぼ間違いないだろう。このゲームは『エターナル・クロニクル』通称エタクロと呼ばれるかなり鬱展開が多いものの比較的王道と言えるストーリーのゲームだ。一旦、簡単にストーリーを思い出してみよう。
ダンジョンが現れて100年が経ち平和な国際社会を築いてきた現代、とある国の大統領が変わった途端国際情勢がきな臭くなる。国内最高峰の学園に入学した主人公は学園で仲間をあつめ、ダンジョンで強くなり、仲間と親交を深めていく。最終的に黒幕を倒して世界は安定していく。
と……まぁすごく大雑把にするとこんな感じだったはずだ。このゲームは日本のとあるゲーム会社が開発に10年をかけたゲームで、重厚なストーリーに魅力的なキャラクター達、革新的な戦闘システムに簡単な操作や圧倒的なグラフィックに作画などその完成度で世界中でブームが起きた。しかし鬱展開が多いのになぜここまで売れたのか、その理由は……最終的に救われるからだ。そもそもこのゲーム会社のゲームは完成度は高いが圧倒的に鬱展開が多すぎるで有名だった。もっとも毎回エンディングで最高のカタルシスを感じる、とファンは多かったらしいが。そしてマコクロでは鬱展開を少々減らした結果──それでも十分多かったが──前世では世界で最も売れたゲームとして有名だった。
さてここがエタクロの世界であることに気が付いた俺はどうするかそんなの……ゲームに出てくるようなキャラになるしかねぇよなぁ!
ふむ…目標が決まったのはいいがどういうキャラにしようかなぁ?正直味方陣営も敵陣営もどちらも完成されてるから俺が入るのは嫌なんだよなぁ……そうだ!どちらにもならなければいいんだ!いわゆる第三勢力、中立派と呼ばれるどちらにも味方しない者達、俺はそれを目指そう。でも……中立といってもどういう立場ならいいんだ?う〜ん……まぁ後で考えればいいか。とりあえず強くならないといけないのは変わらないからな!よ〜し原作に関われるように頑張るぞ!
◇◇◇◇◇◇
同時刻 ⬛︎⬛︎の最上階
部屋の中央で片膝を突き祈る少女がいた。突如祈りをやめ立ち上がった少女は窓際に移動し外に広がる景色を見ながらつぶやいた。
「今のは……いったい何が起こると言うのでしょうか」
============
誤字脱字や改善点のご指摘、星や感想お待ちしています。
星やコメントをくれると作者のやる気が上がります。 by過労キティ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます