概要
敬語やですます体なんていらない である体だけあればいい 日本語の物語
「日本語はむずかしすぎる。たとえば敬語だ。こんな煩雑な尊敬表現は必要ない。そう思わんか?」と文部科学大臣は言った。
国語課長と国語課庶務係長である私は呼び出されて、大臣室でかしこまっていた。課長は曖昧な笑みを浮かべ、「そうかもしれませんね。大臣のおっしゃることは一理あると思います」と答えた。
「ですます体なんていらんよ。である体だけあればいい。きみはいずれこう答えるようになる。『そうかもしれないね。大臣の言うことは一理あると思う』とね」
大臣は私たちに諮問機関『日本語簡素化検討委員会』を立ち上げるよう命じた。私は日本語の破壊ではないかと悩みながら、この仕事に忙殺されることになる……。
日本語改革を担当することになった文部科学省の官僚の葛藤と言葉の簡素化の行方を描く短編。
国語課長と国語課庶務係長である私は呼び出されて、大臣室でかしこまっていた。課長は曖昧な笑みを浮かべ、「そうかもしれませんね。大臣のおっしゃることは一理あると思います」と答えた。
「ですます体なんていらんよ。である体だけあればいい。きみはいずれこう答えるようになる。『そうかもしれないね。大臣の言うことは一理あると思う』とね」
大臣は私たちに諮問機関『日本語簡素化検討委員会』を立ち上げるよう命じた。私は日本語の破壊ではないかと悩みながら、この仕事に忙殺されることになる……。
日本語改革を担当することになった文部科学省の官僚の葛藤と言葉の簡素化の行方を描く短編。
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