第5話 3日目
夜が明けた。カリムさんはまだ来ていない。
早く目が覚めてしまったらしい
昨日は、あの後夕食を食べて
エルモス神父やカリムさんと話をした。
どうやら今日は訓練はせずに、
昨日の身体測定の結果などから話があるらしい
直前に、衝撃の事実かもしれないことが判明したせいで、あまり覚えていない
昨日の夜も、そのことについて考えていた。
そして、一夜明けて至った結論は
わからん だ。
猫と混ざったとか言われてもわからんし、
というか転生してから何もかもわからん……
俺は考えることをやめた
とにかく、願いの試練は難しいらしい
強くならないと、帰る手段が本当になくなる。
聖神側のユニークスキル保持者ってだけで
邪神側から狙われる可能性もあると聞いた。
一刻もはやく鍛えなければならないのは変わらん
訓練続行だ!
少し早いが、食堂へ向うことにする
「……おはようございます…」
「おう、起きたか」
「おはよう、リクトくん」
カリムさんとエルモス神父がいた
「昨日は何か悩んでおったようじゃが、吹っ切れたかの?」
「はい、大丈夫です」
「なら、早速話をするぞ」
カリムさんが続ける
「お前には詳しくは話してなかったが、願いの試練について教える」
「はい」
「まず、願いの試練を受けるには、条件がある。五太神の加護をすべて持っていることだ」
「五太神の加護?」
「五太神の加護は、五太神それぞれの神殿で受けられる加護の試練を攻略することで得られる。そして…………」
「……………要は、世界を旅して、5つの試練を攻略して、その後に前人未到の願いの試練を攻略しなければならないと……」
……うん、無理やん
「……まだ諦めるなよ」
「あ、はい。……でも、こんなこと……」
「無理難題といったが、攻略した者も居るとされてる。公式の記録ではないが……。お前はユニークスキルを持ってる、やる気があれば可能だ」
「やる気が……」
やる気は……有る。めちゃくちゃある
これが白猫のものなのか、自分のものなのかは分からない。でも、確かに、渇望するような心がある
「やる気は……あります。自分でも驚くほどに」
「そうか!ならいけるな!」
「やる気があるのは良いことじゃ。……では、もう一つの本題について話そうかの。学校についてじゃ」
「学校?」
「うむ、儂らにも教えられることには限界があるからのう。いづれは学校に行くべきじゃ。そこで…………」
また長い話があったが
要は、ユニークスキルを持つ俺は、連合からの支援でいい学校に入れるけど、試験はあるよ、
だから、ユニークスキルが分かってきたら、早めに学校選んでね。とのことだ。
受験……うっ、頭が……!
拒絶反応に耐えながら会話を続けた
いくつか学校を教えてもらった
武術学校、数学とかの学術系、様々な専門学校
その中で俺が反応したのは
「……建築、製作系とか、工学系です」
「製作系のスキルなのか?」
「はい」
「……願いの試練に、最低限の戦闘能力は必須だ。そうなると、お前のスキルが戦闘に使えるかが……」
「多分、問題ないです」
「ん?」
「このスキル戦闘向きだと思います」
二人には他言無用を誓ってもらい
ユニークスキルについて話すことにした
「…………見てもらった通り、このスキルで生成した物質には魔力供給が必要。で、自分以外の魔力は受け付けない。つまり、このスキルは……」
「武器等を生み出し、それをお前本人が扱うスキルだな」
「はい」
「だが、ある程度前線に出る必要がある。さらに、お前が剣を作り、振るったところで……」
「それも、解決できます」
「……ほう」
「これはまだ言えませんが、俺には前世の知識があるので、将来的には……」
「……そうか……なら、その未来で剣術は必要か?」
「はい、あったほうがいいでしょう」
カリムさんは少し口角を上げた
「なら、計画は変わらん。予定通りの訓練を続けるぞ」
「はい」
「早速今から始めよう」
「え、今日はないんじゃ」
「あ?前人未到に挑戦するんだろ?暇なんてないぞ」
「午後は受験勉強じゃな」
「……うっ」
……やめてくれ…その言葉は……
スキル『万能物質』で成り上がる ゴラリ @gorari
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