第8話 出番への応援コメント
後半10分。
お互い決めきれず未だ0-0。
ウチはすでに交代枠5つのうち4つを使い切っていた。
足を攣ったボランチ、負傷したウイング。
とにかくチーム全員がハードワークしている。
既に満身創痍だ。
でも、ピッチ脇でアップしながら、俺は焦っていた。
……間に合うのか?
俺、今日……出られないのか?
ベンチの方へ視線を向ける。
監督は腕を組んだまま動かない。
時計の針だけが無情に進んでいく。
──そして後半25分。
「サコ!行くぞ!」
ついに、俺の名前が呼ばれた。
その瞬間、心臓がドクッと跳ね上がる。
同時に、交代表示ボードが掲げられた。
これで交代枠は使い切り。
誰ももう入れない。
誰ももう下げられない。
ユニフォームを整え、ライン際に立つ。
そのとき、記者席の端で誰かが手を振っているのが見えた。
川本さんだ。
目が合った瞬間、川本さんはニカッと笑って、両拳を胸の前で突き上げた。
……見てろよ。
ピッチに入る瞬間——
「つよしーーー!!!」
一瞬だけ、どこかから紀香の声が聞こえた気がした。
来ているのか?どこにいるのかは分からない。
それでもいい。
声が届いた。それだけで十分だ。
俺が出場してもアンタラーズの猛攻を必死に防ぐ展開だった。
前半イエローが飛び交う時間帯もあったが今は多少落ち着いている。
俺も何度かボールに触ったが、常に打田が張り付いている。
相当に打田を信頼しているのかキーパーは通常の位置にポジションを取っている。
相手が前のめりになっている今こそ俺にとってはチャンス。
だけどロングを蹴るのは難しい状況だ。
更に打田は俺を煽るように話しかけてくる。
「いやーごめんね〜悪気はあったんだけどね。」
「いやー垣谷妹可愛いよねぇ。胸大きいし」
「君のトコの監督厳しそうだよね?怖くないの?」
近くに来る度そんな無駄口を叩く。
状況を変えようと俺が偽サイドバックの位置に移動したら
「また剛は小賢しい真似しちゃってさ。対策済みに決まってるじゃん。」
あっさりと無効化されてしまった。
俺がイライラしたタイミングで急に縦に突破を試みてきやがった。
なんとかギリギリ斜め後ろから
足を出してボールを外に出すことが出来た。
しかも俺の触ったボールは微妙に打田に当たったようでマイボールだ。
打田が当然マイボールだと思ってスローインしようとした瞬間線審に咎められる。
「えーそりゃないよーマイボでしょー」
打田が線審に苦情を言ってる間に、キャプテンCB宮元がダッシュでボールを俺に入れてくれる。
この試合初めてのフリー。
スタジアムが静まり返る。
相手キーパーがゴールにダッシュで戻っていく。
相手のボランチ司馬崎が血相を変えて飛び込んでくる。
「おせーよ。」
俺はいつものように左足を踏み込む。
間接視野で打田が焦っているのが分かった。
ゴールまで65メートル。
GKの懸命なダイブも虚しく、俺のキックは綺麗なアーチを描きながらゴールに吸いこまれた。
62000人の観客が我に返ったように歓声を上げる。
俺は両手を天に広げ、その声を全身で浴びる。
震えるほどの歓喜に脳が溶けるのを感じる。
ゲームが再開されると打田の表情が一変していた。
いや、打田だけじゃない。
アンタラーズの選手全員の表情が変わった。
もう何名かは覇王色の覇気を出しちゃってる。
残り10分。
ここからが正念場だ。
その時間からアンタラーズは短く繋ぐのを止め、ドリブル、ロングボール、ロングシュートを多発してきた。
パワープレーってやつだ。
流石に日本のトップチームの猛攻に俺もペナルティエリアの中に入って守備に奔走する。
しかしプレスがキツすぎてクリアすることも出来ない。ロスタイムに入る直前、外にでてライン際に張り付けと監督から指示が来た。
確かに俺がサイドに張り付いている方が相手は怖いかもしれない。
だけど―そう思案しているのを見越してか
「オマエココチガウ」
GKジジマールに背中を押された。
「お前みたいな下手くそがゴール前に居たら逆に危ねぇよ。」
フォワードの仲川さんにまで言われてしまった。
「トドメ刺してこいよ」
キャプテン宮元さんにも背中をたたかれる。
俺はその気になって定位置になったサイドライン際でボールを待った。
↑
ほぼ固定砲台扱いやんw
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ホントそうですね。あだ名になりそうですね。
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
実際、現実で贔屓にこんなシュートやられたら何を思えばいいのだろうか?
従来のサッカーと違い過ぎて...
作者からの返信
コメントありがとうございます。確かに実在したら困惑しますね。
エンタメとして楽しんで頂けたら幸いです。
第3話 垣谷紀香への応援コメント
ふふふ。ライバル選手の双子の妹さん。
これはスポ魂モノで最も白熱する部分ですよね(そうなのか?笑
兄に負けて欲しくないけど佐古くんにも頑張って欲しい。
そんな垣谷さんの大きな胸のうちの葛藤が楽しみです(期待
そうでした。川本さんは引退試合でした。
そんな節目に佐古くんというダークホースが登場したのは残念でしたね。
川本さんは後々、登場するのかな?
砂糖水色さん、ありがとうございます。
色々とすごく楽しみです。
引き続き、拝読いたします~!
作者からの返信
ありがとうございます!
兄妹(双子)という関係性、書いていても一番楽しいところです(笑)
川本さんも、ここで終わりにはならない…かもしれません。
引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです!
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
砂糖水色さん、お世話になっております。柳アトムです。
この度は拙作「学校ごと異世界転移したので校庭を耕してスローライフを送ります 」にお星様をいただきまして本当にありがとうございました。
お礼といってはなんですが、拝読に参りました!
宜しくお願い致します~♪
うわー。とんでもない長距離砲ですね。
こんな戦法で得点を量産されたらサッカーというゲームが成立しなくなっちゃいますね(困った
この後、どのように事態が進展し、物語がどう進行するのかとても楽しみです。
作者からの返信
柳アトムさん、こちらこそありがとうございます!
読みに来ていただいてコメントまで頂けて嬉しいです。
長距離砲は完全に反則気味ですが(笑)、
そのせいで起きる歪みも含めて描いていくつもりです。
今後の展開、ぜひ見守ってもらえたら嬉しいです!
エピローグへの応援コメント
読み終えた瞬間、試合終了の笛より先に、胸の奥で何かが鳴りました(笑)。
理不尽って言葉、こんなに爽やかに転がせるんだなあと笑いながら。町田から世界へ、名前の並びは派手なのに、語り口は妙に地に足がついていて、だからこそ一つ一つのプレーが浮かぶ。
ムパッペが突っ込んでくる場面で「遅せーよ」と来るのも最高で、強さと肩の力の抜け具合が同居してるのが心地いい。
リアルかどうかより、サッカーってこういう瞬間があるよなと思わせてくれる余韻が残る。
理不尽なのに、ちゃんと楽しい。
そんな読後感に、思わずもう一試合見たくなります。
完結おめでとうございます。
作者からの返信
いつも丁寧なコメントありがとうございます。
今作もてとも励まされました。
今後ともよろしくお願いします🙇♀️
3話 二重の極みへの応援コメント
ずっとピッチ脇に座って一緒に笑って驚いている気分。
最初は「CGでしょ?」という疑いから入るのに、佐古選手の一挙手一投足で少しずつ現実が侵食してくる感じが心地いい。
バーに当てる話だけでも十分異常なのに、指の上で回るボールや「歪んでるんですよ」の一言で、もう完全に世界観を持っていかれる。
特に好きなのは、超常的なことをしているのに、語り口や空気はどこまでも等身大なところ。
夜の公園、苦情、無茶ぶりする父親、テンション上がる小学生。
全部が分かる分かるで繋がっていて、その延長線上にありえないキックがあるのが妙に説得力ある。
二重の極み、というワードチョイスも絶妙。
後半の大怪我からの復帰、そして動画公開までの間を多く語らないのもズルい。
説明されないからこそ、失われなかった感覚や積み重ねた時間を想像してしまう。
最後に残るのが、普通の18歳の少年に見える、という余韻なのも好み。
凄さより先に、人としての距離の近さが胸に残る、気持ちのいい読後感でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
書いていて一番大事にしていた“距離感”を、そのまま言葉にしてもらえた気がします。
凄さより先に「近さ」が残る、という読後感は理想でした。
ここまで感じてもらえて、本当に嬉しいです。
1話 サポーターへの応援コメント
ゴール裏のビールの匂いまで立ち上ってくる。
派手な事件が起きるわけじゃないのに、時間が積もっていく描写がじわじわ効いてくるのが心地いい。
学生で金がない、アウェイはきつい、仲良くなるのはおじさんばっかり、この辺の現実感が、笑えるのに切なくて、気づいたら同じ場所に立ってる気分になる。
佐古という存在が選手じゃなくて、基準として語られているのも好み。
鬼パスがチームの空気を変えた、という言い回しがやけにリアルで、サッカーを知ってる人ほど頷いてしまう。
そして復帰直前のあの空気。
出ていないのに泣かせに来るのは反則だと思うけど、ゴール裏って本当にそうなんだよな、と納得してしまうのが悔しい。
声にならない応援、空を見上げるおじさんたち。
ああ、これはもう物語というより記憶だ。
気づけばおいらも、喉が詰まってた。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ゴール裏の熱量って凄いですよね。
あそこだけ別世界な時があります。
第5話 影響への応援コメント
そう言えば試合はあの後どうなったんだろうか
開放骨折までしたあの接触はちゃんとカード出されるレベルの反則としてジャッジされたのか(望み薄だが)、試合はどっちが勝ったのか、あの後も試合終了まで審判は懲りずに理不尽ジャッジしまくってたのか、気になる
作者からの返信
コメントありがとうございます。
あの場面については、2人にイエローカードが出て、
試合自体は 4-2で終了しています。
このあたりも一度は本文に書いたのですが、
少し蛇足感が強いかなと思い、最終的にカットしました。
その分、分かりづらくなってしまった部分があれば申し訳ありません。
明日から最終章に入ります。
最後まで楽しんで読んでいただければ幸いです。
よろしくお願いします
第2話 反応への応援コメント
クラスの女の子たちからの声援はなかったようですが、先生たちからは熱烈な応援があって良かったです(*´ω`*)
今後の励みになりますね!
もうひとつの作品までご来訪頂き、ありがとうございます!そして、またまた貴重なお星様をありがとうございます☆
昨日も思いましたが、御作は連載2ヶ月足らずで星やフォロワー、PV数がすごいことになってますね!?
凄まじい勢いです!
コンテスト、応援しています!
私はお祭りに乗っかってるだけですが(笑)
ランキングもたまに3000番台後半に載るくらいですし。3899位とか(笑)
それでも、ご覧下さったのはとっても嬉しかったです。ありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
楽しく読ませて頂きました。
私としても未だに驚きを隠せません。
今後ともよろしくお願いします。
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
こんばんは☆
フットボールはやったこともスタジアムで観たこともないのですが、熱い試合だということは分かりました(^^)
素人の私ですら、ワクワクする気持ちにさせるなんて素晴らしい文才ですね!?
拙作へのお星さまありがとうございました!設定からして訳わかんないとは思いますが、読んで頂けて嬉しかったです☆
近況、拝見しました。
キャンプツーリングだなんて素敵ですね。私はアニメのゆるキャンを見てキャンプの中身を知ったのですが、楽しそうですよね🎶
作者からの返信
コメントありがとうございます。
サッカー未経験・未観戦の方にも「熱さ」や「ワクワク」を感じていただけたのは、本当に嬉しいです。そう言っていただけるのが一番の励みです。
近況ノートも見ていただいてありがとうございます。
ゆるキャン、私も好きです。
また気軽にコメントいただけたら嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。
第1話 キズへの応援コメント
この二人と試合の審判団にはサッカー協会からペナルティあるよね
無かったらファンが暴動起こしてもおかしくないレベル
詳しくないけど、選手二人にはレッドとは別に半年~1年の出場停止とか?
作者からの返信
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、現実的には選手、審判ともに、
何らかの追加処分や内部処分があっておかしくないケースだと思います。
ただ物語上は、佐古本人の視点では
そこまで気を向けられる余裕がない状況だったため、
あえて本文では詳しく描写していません。
協会や周囲が何も動いていない、という意図ではありません。
個人的には特に審判には重いペナルティがあって然るべきだと思いますが、
現実ではなかなか厳しい処分が下らないことも多いですよね。
そのあたりも含めて「理不尽さ」として描いていますので、
今後の展開も楽しんでいただければ嬉しいです。
第8話 音への応援コメント
どうもです。
最新話まで読ませていただきましたが、とても面白かったです。
脅威的なキック力を武器に活躍し、しかもごくごく普通の学生なのがまた良い。
理不尽さもありながら妙に生々しく、物語に引き込まれましたね。
続きも気になりますし、更新されましたらまたお邪魔させていただきます。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そこを感じ取っていただけて本当に嬉しいです。
特別な才能を持っていながら、根っこはごく普通の学生という部分は、意識して大切に書いているところなので、そう言っていただけて励みになります。
理不尽さと生々しさが混ざった感覚も、まさに描きたかった部分です。
物語はまだ続きますので、また更新の際にお立ち寄りいただけたら嬉しいです。
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
作者様
初めまして。
一話から引き込み要素満載でした。
衝撃の登場から彼がどうなっていくのかが楽しみです。
ちなみに私はレイソルファン。 2025年は惜しかった……
作者からの返信
初めまして。
コメントありがとうございます。
レイソルは本当に魅力的なサッカーをしていますね。
カッコイイチームだと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
ボールが破裂しておかしくない異常なキック力。確かに下手したらサッカーが成り立たなくなりますよね。ゴジラみたいに巨大な人間が横たわってキーパーやったら絶対に失点しない的な。
そこを、どうお話のバランスをとるかが見ものですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
今終盤を書いてますが、正にバランスで四苦八苦しております。
楽しんで読んで頂けたら幸いです。
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
失礼いたします。昇格と残留をかけた試合。お互い必死なのですね!
でも昇格をかけている。磐田の方が実力が上。のはずが⋯
残りわずかに出てきた35番にいいようにやられてしまったのですね。文章がお上手で状況がよくわかります!それにしても35番、伝説のシュートまで決めるなんて何者なの?!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
35番の物語を楽しんで頂ければ幸いです。
今後ともよろしくお願いします🙏
第1話 フットボールクラッシャーへの応援コメント
砂糖水色さん。
ご訪問ありがとうございました。
さらにはお星様ポチポチポチして頂きまして…(´;ω;`)
1話拝読させて頂きました。
バスケだと自陣ゴール下から3ポイントをバンバン放つようなオープニング。
ロベカルか出て来る辺り、ひょっとすると同世代では?
よろしくお願いします。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
同年代っぽいですね。
よろしくお願いします。
第3話 ズルへの応援コメント
ええな
こんな先生が現実にもおるんでしょうね
作者からの返信
一気読み、コメント、さらにお星様まで本当にありがとうございます。
意外に先生へのコメントが多くて驚きました。
他の作品も良かったらよろしくお願いします。