第23話 出国
3日後、ステラは、神父とシスター、それに数日一緒に寝食を共にした孤児達の見送りを受けていた。
「ステラさん、最後の最後に寄付金まで、貴方様こそ聖女様ではないでしょうか。」
「大袈裟ですよ。また、この国に来たら顔を出しますので、お元気で。」
「ステラお姉ちゃん、行かないで。」
「行っちゃいやだ~、えーん。」
「みんな元気でね。」
ステラは大きく手を振ってから孤児院を後にする。
「なあ、ステラ、本当にギルマスに挨拶せずに行くのか。」
「だって、あの人めんどくさいじゃん。」
「無駄に引き留めてきそうだし。」
「そりゃそうだろ。この国一番の戦力じゃねえか。」
「私はこの国の国民じゃないしね。」
「そうだな。」
「ダイン達、ちゃんと常日頃から、結界と索敵とか使って、魔法の修練続けるんだよ。
魔法の習熟度が上がれば、魔法の発動が早くなったり良いことあるからね。」
「ああ、わかったよ。」
「他国でもダイン達のパーティの名が聞けることを期待しとくからね。」
「聞こえなかったらあきらめろ。
できる限りの努力はするけどな。」
「じゃあ行くよ。」
「ああ。」
「ステラ、お前と出会えてよかったよ。
強くなれたのもあるけど、孤児院の奴らに満足な食事を提供できるようになった。
お前から、魔法を教わらなければ、きっと、こうなってなかったと思う。」
「出会いは運命だよ。
世の中にはたくさんの人がいる。
一生で会わない人もいるんだから、出会いは必然って私は考えているんだよ。
出会って魔法を教えたのもそうなるのが必然だったんでしょ。
元気でね。」
「「「「元気でな。」」」」
ステラは、リルがまだ寝てるかもしれないと思っているので、前世の生まれ故郷、アルリフラ帝国のブルームを目指して歩き始めた。
オンブルのギルドマスター執務室で、ダイン達からステラがオンブルを後にしたという報告を受付嬢から受けていた。
「相当嫌われたんだな。俺は。」
「カイゼルさんは押し付けすぎるんですよ。」
「そうか。全然自覚がないんだよな。」
「きっと生き方が違うんですよ。
おそらく一生ステラの気持ちはわからないと思いますよ。」
「そうかもな。
エリック、過去にフェンリルを従魔にしたやつの記録が残ってたよな。」
「はい。」
「確か、魔王を討伐した勇者パーティの聖女サーシャ様の従魔がフェンリルであったと記録にありました。」
「フェンリルってそんなに簡単にできる従魔じゃねえだろ。」
「そうですね。。」
「ステラの強さも異常だ。
なのに、あいつは自分の力を熟知してる気がするんだよな。」
「きっと、そのうち他国で名を馳せますよ。」
「そうだな。」
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