第17話 ポーション
討伐隊の編成は、『勇者の集い』から斥候アインツ、重騎士カーツ、ヒーラーのマルコが、これにギルドマスターと私達のパーティ、他にCランクパーティの参加が決まった。
これから、ギルドマスターとアインツさんが偵察に行き、正確な巣の位置を探しに行くらしい。
「エリック、俺が明日の朝まで戻らなかったら、その時は王国騎士団に助けを求めろ。
間違っても残ってるメンバーで討伐に向かうんじゃないぞ。
全滅するぞ。」
ギルドマスターがエリックさんに指示を出している。
サブマスはエリックさんって言うんだとのんびり考えるステラは、偵察が戻ってくるまで、手元に残っている半端な治癒草を使って、治癒ポーションを作って時間を潰すことを決めた。
「ねえ、ダイン、この前納品した薬草のうち、10本に満たない薬草をまだ持ってる?」
「あるぞ。8本ある。」
「みんなは?」
「私は5本。」
「僕は7本。」
「8本あるわ。」
「それ、私にくれる。」
みんな私に半端な残り物の薬草を渡してくれた。
私は受付に向かう。
「すみませーん。ギルド内に調合室はありますか。あったら貸してください。」
「ステラちゃん、調合室で何するの?」
「半端な薬草使ってポーションを作ります。」
「ステラちゃん、ポーション作れるの。」
「一般の治癒ポーションなら作れますよ。」
「そうなの?
そしたら、ギルド内にある薬草を使っていいから、100本位作れる?」
「たぶん、作れます。」
「ごめんね。お願いできる。」
「わかりました。」
「こっちへ来て。調合室はここよ。」
調合室に案内され中に入る。
「鍋とか勝手に使っていいわ。
私は薬草持ってくるから、作業を始めて良いわよ。」
「はーい。」
私は、自分が持っている治癒草を出し、鍋に入れ、鍋の中に水魔法で水を入れる。
治癒草が水につかったら、魔力を加えながら火にかける。
沸騰したら、火を止めて完成だ。
風魔法で、鍋を冷ます。
別の鍋を用意して、受付嬢が持ってきた治癒草を使って先程と同様に魔力を加えながら沸騰させていく。
結局、鍋3個分の治癒ポーションを完成させた。
後は冷めているポーションを瓶詰すれば作業は終わりだ。
瓶詰はボルタ達に手伝ってもらった。
瓶詰が終わると、すっかり外は暗くなっていた。
「ボルタ、ナミ、アイル、グレタ、手伝ってくれてありがとう。
食堂でご飯買って、一旦、孤児院に戻ろう。
みんなお腹を空かせてる筈だから。」
「「「「うん。」」」」
食堂で、ありったけのご飯を作ってもらい、ギルドの受付にまた明日の朝来ることを伝え、今日はお暇した。
ステラ達が帰った調合室に受付嬢とサブマスのエリックが出来上がったポーションの確認に来る。
「これをあのお嬢さんが作ったのか?」
「はい。」
「治癒ポーションが300本もある。
3時間で作れる量じゃないぞ。
それになんだこのポーション?
こんな澄んだポーション初めて見た。」
「サブマス。効能を確認するのが先だと思います。」
「そうだな。」
「はい。」
そして、サブマスたちがポーションの効能を確認すると更に驚愕するのであった。
「これ初級ポーションの効能じゃない。
なぜ治癒草を使って中級ポーション並みの効能があるポーションが作れんだよ。
あのお嬢ちゃん何者だ。」
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