第13話 ランクアップ

ステラ達は冒険者ギルドに戻るなり、受付へ報告をする。

「すみません。ボアの餌場でオークが出ました。」


「えっ。」

ギルドの受付嬢は私達一人一人を目で確認し、安堵の声をあげる

「全員、無事、逃げてこられたのね。」


「いえ、オークに逃げ道を塞がれて已む無く交戦しました。」


「えっ、それでどうなったの?誰も怪我をしてるようには見えないんだけど。」


「アイルの土魔法で落とし穴を作り、そこへ落ちるように誘導して、最後は、皆で一斉に魔法攻撃で討伐しました。」


「オークは1体だけ?」


「いえ、3体です。」


「3体も・・・持って帰ってきたの?」


「はい。確認しますか。」


「解体所で出して頂戴。

 私はギルドマスターに報告するので、解体所でオークを査定に出したら、ギルドマスターの執務室まで来て頂戴。」


「わかりました。」


私達は解体所へ行き、オーク3体を引き渡して、ギルドマスターの執務室へ赴く。

「コン、コン、コン。」

執務室のドアをノックする。

「誰だ?」


「先程、解体所へでオークを引き渡したらここに来るように言われたものです。」


「入れ。」


「失礼します。」

ステラ、ボルタ、ナミ、アイル、グレタでギルドマスターの執務室に入る。


「俺が、オンブル支部の冒険者ギルドマスターのカイゼル・ドラードだ。」


「ステラと申します。」

「ボルタです。」

「ナミです。」

「アアア、アイルです。」

「・・・グレタよ。」


「随分と若い冒険者だな。

 本当にお前たちがオークを3体も討伐したのか。」


ステラが答える。

「先程、解体所に預けたので確認してください。」


「そうだな。確認すれば良いことだ。

 討伐に至るまでの過程を教えてくれ。」


受付嬢にした説明を再度ギルドマスターにする。


「なるほどな。戦術が徹底されてるな。リスクが少ないのが好感持てる。」


グレタが震えながら言葉を発する。

「すごく怖かった。

 オークが落とし穴に落ちてみんなで一斉攻撃と言われた時、無我夢中で・・・。」


すると、執務室に誰か入ってくる。

「解体所のガルボだ。

 査定の結果だが、素材がズタズタでオークの皮は査定できない。

 本来、状態が良ければ1体につき100,000ゼルだが、今回は60,000ゼルでの買取となる。」


「みんな必死だったからしょうがないよね。」


「買い取ってもらえるだけでも有難いぞ。」

「1体60,000ゼル・・・」

「すげえ。」

「・・・すごい。」


「問題ないなら、合計で180,000ゼル、金貨1枚銀貨8枚だ。」


「全部銀貨でもらえますか。」


「良いぞ、じゃあ銀貨18枚だ。」


「ありがとうございます。」


「それから、これは特例だが、ステラ、ボルタ、ナミ、アイル、グレタはCランクに昇格だ。パーティのランクもCランクに昇格だ。」


ボルタが戸惑いながら発する。

「本当に?」


「本当だ。」


「「「「ヤッター」」」」


「昇格したからと言って調子に乗るなよ。

 そうやって命を落とした奴は五万といるからな。

 命あってのものなのだから慢心するなよ。」


「「「「わかった。」」」」


話は終わったので、私達は執務室を後にした。

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