第7話 明日の予定

孤児達が騒いでる。

「神父様、シスター、食堂から良い匂いがするぞ。」


「今日、孤児院に泊まるステラさんが料理を振舞ってくれるんだ。」


「すごく旨そうな匂いだぞ。」


ステラが鍋ごとポークジンジャー擬きを持ってくる。

「お待たせしました。

 ご飯が食べられるように取り皿とカトラリーを用意してください。」


「おいらが持ってくる。」

「俺も。」

「私も。」


「落ち着きなさい。シスターミラ、ボルタ、持って来てくれるか。」


「かしこまりました。」

「わかった。」


「では、皆は椅子に座って待ってようか。」


「「「「「はい。」」」」」


シスターミラとボルタが取り皿とフォークを持って戻ってくる。


「では取り分けましょう。」


ステラがポークジンジャーと黒パンを取り皿に盛り、ボルタとシスターミラが孤児達に配っていく。


「じゃあ食べましょう。

 女神クリスティア様に感謝を。」


「「「「「女神様に感謝を」」」」」

お祈りを終えると各自が食事を口にしていく。


孤児達は絶賛だ。

「何だ。この肉は無茶苦茶柔らかいぞ。」

「めちゃくちゃうまい。」

「こんなうまいもん初めて食べたぞ」


「口に合って良かった。」


こうして賑やかに食事は終わった。


神父様とシスターが礼を言ってくる。

「ステラさん、おいしい料理をありがとう。」


孤児達が割り込んでくる。

「姉ちゃん、また作ってくれよ。」


「ボルタ達との約束もあるし、王都に1週間位いるから、良いよ。」


「ホントか?やった~。」


「まあ食事が豪華になるか粗末になるかは明日の成果次第かな。」


「ボルタ、ナミ、アイル、グレタ、明日はどうするの。

 打合せをしよう。」


「ステラは薬草採取をするんだろう。約束通り護衛するよ。」


「う~ん、魔法を教える約束もあるし、明日は冒険者ギルドで依頼は受けずに森の中に入って、先に安全の確認してから魔法の練習かな。

 収納ボックス使えるようになりたいんでしょ。

 練習中にラビやボアを狩れたらラッキー位の感じにしようか。」


「薬草採取は良いのか?」


「屑パーティーに囮として使い捨てされないように魔法をしっかり覚えた方がいいよ。

 自衛できるようになるだけで全然違うからね。」


「そうだな。迷惑かけるけどよろしくな。」


「うふふふ、そのステラ先生に任せなさい。

 一週間でウンベラータ王国一の魔法使いパーティにしてあげる。」


「嘘でもそうなれたらうれしいな。頑張るよ。」


ボルタ達は知らない。

ステラの指導がどれだけスパルタなのかを。

そしてステラの発言が嘘じゃないことを。

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