第5話 収納ボックス
ギルドに戻り、受付に向かう。
「私は薬草を納品してくるけど、ボルタ達はどうする。」
「俺たちは・・・。」
「じゃあ変な奴が寄ってこないように私を守ってね。」
「???」
「一緒にいてくれれば良いよ。」
「わかった。」
「ステラ様、お帰りなさい。」
ギルドの受付嬢が優しく微笑みながら声を掛けてくれた。
「まだ今戻りました。
採取した薬草の買取をお願いしても良いですか。」
「かしこまりました。こちらにお願いします。」
私は無属性魔法で作った透明の収納ボックスから治癒草200本、毒消し草200本を取り出す。
「こちらです。お願いします。」
「???・・・はっ、少々お待ちください。査定します。」
「なあ、ステラ。」
「何、ボルタ?」
「お前、薬草を何処から出したんだ?」
「どこって、収納ボックスから出しただけだけど。」
「そんなのどこにあるんだよ。」
「どこって見えないけど、ここに透明の収納ボックスがあって・・・」
と左腰を指し示す。
「薬草採取って聞いてたのに、薬草を持ってなかったから不思議に思っていたけど、
収納ボックスなんて持ってたのか。
しかも他人に認識できない収納ボックスなんて規格外だぞ。
絶対、人前で使っちゃダメなやつじゃん。」
「そうなの?私の知人はみんな持ってたけど。」
「ステラと同じことできる奴が他にもいるのかよ。」
とボルタは頭を抱えてる。
ここで、ギルドの受付嬢が、
「昔、勇者パーティのパーティメンバーが全員使えたと聞いています。
収納ボックスは、本来、空間魔法使いのみが使える印象ですが、無属性魔法が使えれば、その応用でできるらしいです。
現在でも、上級冒険者の一部は使ってるみたいです。」
「ほらできる人いるじゃん。」
「俺達みたいな下級冒険者にはできないよ・・・。」
「そもそも魔力があれば収納ボックスは作れるんだよ。
収納ボックスは無属性魔法の応用だからさ。
魔力があれば無属性魔法は誰でも使える。
理屈さえ理解できれば、簡単に作れるよ。」
「そうなのか?」
「私が見る限り、ボルタにも使えるよ。」
「ほんとか?」
「うんうん。容量に関しては魔力操作の熟練度が必要になるけど、難しくないよ。」
「じゃあ今度教えてくれ。頼む。」
「良いよ。」
「ステラ様、お待たせしました。」
薬草の査定が終わったようだ。
「治癒草200本、毒消し草200本、どちらも鮮度が最上級と評価しました。
本来、10本で治癒草2,000ゼル、毒消し草2,500ゼルのところを、
治癒草3,000ゼル、毒消し草3,500ゼルで買取いたします。
ともに200本ずつですので、
治癒草3,000×20=60,000ゼル
毒消し草3,500×20=70,000ゼル
合計で130,000ゼルとなりますので、
金貨1枚、銀貨3枚のお支払いとなります。
どうぞお受け取りください。」
「ありがとうございます。」
リルは報酬を受け、ボルタ達と冒険者ギルドを後にするのであった。
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