第6話

終戦と帰還

悠斗が影渡りで現場に到着した時には、すでに戦闘は終盤を迎えていた。

ノアは小さな傀儡を何体か叩き潰し、全身に傷を負いながらも、ミリアの前に立ちはだかっていた。ミリアは必死に防御魔法を展開しているが、その顔は涙と煤でぐしゃぐしゃだ。最後の魔族の刺客が、彼女たちに止めを刺そうとナイフを振り上げた、その瞬間。

悠斗の『影斬』が閃いた。

視界が一瞬、黒く塗られたかと思うと、刺客は意識を失って倒れ伏していた。

「先輩!」「ご主人様!」

ミリアとノアが安堵の声を上げる。悠斗は二人の無事を確認すると、すぐに魔導具を使いエリスに連絡を取った。エリスは悠斗の想像通り、残党の処理を完璧に終えていた。

こうして、王都の夜を襲った騒動は、夜明け前に終結した。


四人は、誰にも見つからないよう、疲労困憊の身体であのベッドへと滑り込んだ。

戦いの緊張が解け、猛烈な疲労が押し寄せてくる。ミリアは悠斗の腕にしがみついたまま、「先輩、怖かったよ……」と弱々しい声で呟き、数秒で安らかな寝息を立てた。ノアも、傷だらけのまま悠斗の足元に丸くなり、すぐに眠りに落ちた。

不思議な静寂が、熱を帯びた部屋を支配する。

悠斗も限界だった。瞼が重くなる。しかし、その時、隣から静かな声がした。

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