第6話 やっと正体に気付いた

───どうしてこうなった。


「め、めっちゃ似合ってます……♡」


今……俺は女装をしている。───あぁ、1つ言っておくが絶っっっ対にそんな趣味はないからな?


「はぁ……これでとりあえずは寄ってきませんね……えへへ♡」


それじゃあ、なぜこんなことになっているかと言うと、背後に居た謎の女の人に俺は同棲なんかしていないと言うと、それじゃあ虫が寄らないようにしておきますね?と言われて今これなのだ。


一言言わせてくれ。





うん、なんで??


「てか……」


今気付いたけど……声が、まいに似てないか??


「……?あ、あのぉ最後に言っておきますけども───本当に同棲はしてないんですよねぇ?」


俺の独り言に疑問を呈しながらも、なにやら怖い目を向けてそう警告をした。


「あー、うんうん」


してないよ。

してないもん。


「そ、それなら良かったです……」


「そうだねー」


あー、そろそろこの人追い出さないと。

この服着たくないから!


「あのさ、そろそろ家から出てほし……」


「あのぉっ、私、同棲しますからねっ?」


「あー、うんうん……?」


まてまて、今なんて?

───同棲って?


「えへへ♡……それじゃあ飯作っちゃいますね?」


「あ、ちょ、ちょっと待って……」


「私……今死んでもいいくらい幸せです……♡」


あー、ちょっとやばいなこれ。

マズったとかそういう次元じゃない。


「───うん」


俺はそれしか言えなかった。


「あ、てか少し家出て自販機からジュース買ってきていい?」


喉が乾いた。

仕方ないよ、混乱してきたんだ。


「わかりましたっ!つ、付いていきますねっ」


「あーう……?」


いやまて、まてまてまて。

付いてくるって?ただちょっくら買いに行くだけなのに?


「いや待っ───」


彼女の方を向けば、包丁を手にした。

やっべぇかも。


「行こうか」


「っ!はい♡」


誰か……助けてくれ。

なんでもはしないけど。




「ふぅ……」


あれから数時間経った今、すんごく身体が疲れている。だってずーーっと付いてくるんだぞ?


例えば───


「ちょっとトイレ行くわ」


「えっと、はいっ!」


「───ん?」


トイレに入って扉を閉めようとすると、何故か閉めれない。───不思議に思い、後ろを見やればドアノブに手をかけた彼女の姿があった。


……なにしてるのかなー。

なんで、入ろうとしてきてんの?


「えーと?」


「えへへ……♡ずっと居るのが同棲ですからね……」


───とまぁ、こんな感じで。

疲れるったら疲れる。


「はぁ……ゲームしよう」


俺はこの疲れを癒すべく、【Clan】を起動する。


「んー、珍しいな?まいが居ないなんて」


いつもこの時間帯……深夜には居るんだけどな。


「ソロでやるか」


───ピコン

そんな時、通知が来た。まいからだ。


『ボイチャだけですけど……やりませんか?』


『いいよ。』


まぁ話すだけでも楽しいからね。


『それじゃあ誘いますね。』


そう送られて、すぐにパーティが開始された。


「こんばんはっ!」


「こんばんはーって、聞きたいんだけどさ……今日はなんでゲームできないの?」


「えと……ちょっと用事がありまして……」


なるほどね?

それなら仕方ない。


「まぁ、でもリュウ様とは喋りたかったので……えへへ♡」


俺はそこで気付く。

リュウ様……って、あの子も言ってなかったか?


「リュウ様?どうしました?……リュウ様っ?だ、大丈夫ですかっ?!リュウ様?リュウ様リュウ様リュウ様───」


考えていると心配して俺の名を呼び続ける。

───返事しないと。


「ああ、すまん……少し考え事をしていた」


「心配しましたからね……気を付けてくださいっ」


「あー、うんうん」


てか、隣の部屋から声が聞こえるな……?

隣の部屋つったら……あの例の女が居る部屋か。


「ちょっと待って」


「はいっ」


俺は耳を傾ける。

……あれ?喋ってないか。


「あー、おっけおっけ」


俺は再度喋る。


「それじゃあ何話しましょうかーっ!えっと……」


また隣の声から声が聞こえてきた。

あれ、妙だな?


「今なんか適当に喋ってくんない?」


俺はそう彼女に言う。


「……?わかりましたっ!リュウ様の良さってやっぱり───」


やっぱり、まいが喋った時に隣から連動するように声が聞こえる。───見に行くか?


「そろーり、そろーり」


俺は隣の部屋を覗く。

一応イヤホンをしながら。


「───へ?」


扉をゆっくり開けると、イヤホンをしながら青白く光るスマホを両手で持って呪詛のように喋る謎の女の姿が。


「なに喋ってんだ……?」


イヤホンを外してみる。


「だから……やっぱりリュウ様は声も良いですし……かっこいいですし……み、未来の旦那……っですし♡」


謎の女がそう言っている。


「っ」


イヤホンを片方付けてみる。

……つまり、交互に聴き比べてみる。


「「本当に、リュウ様を世界で一番……愛しています」」


まいと謎の女の言葉が同時に聞こえた。


───あーなるほど。

なるほど……なるほど。


俺は、扉を閉めた。

そして、家から出たのであった。


……しかし、この行動は後で非常にマズい行動であることが分かる。なぜなら───俺は、未だに女装していたからだ。


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