第7話 修羅場

「はぁっ、はぁっ!」


今、俺は走っている。

あんな所、居れたもんじゃない。


「うわ……なんか朝になってきてるじゃん」


気付けば日が上がってきており、暗い夜が今まさに終わろうとしていた。


「まいと謎の女が同一人物だとは思わなかったな」


まぁ声も似てたし、よくよく考えれば……かもしれない。


「───あのぉ」


どこからか、声が聞こえてきた。


「ここで何をしているんですかぁ?」


どうやら背後からだったらしい。

振り向けば、華奢な体の女性が居た。


「えーとな」


なんて言おう?


───家に不審者と同棲することになったので、逃げてます、とか言ったのならば……何言ってんだこいつって感じだしな。


「散歩ですねー散歩」


まぁこれが無難かな。


「おーっと、奇遇ですねぇ?私も散歩中なんですよぉ~っ!」


「へぇーそれは奇遇ですね」


「でも……今の時代、??」


ん?

んー?


───あ、俺もしかして……女装したまんまじゃあ?


「ち、ちなみに……なんで危険だと思うんですか?」


「聞いたことありませんかぁ?」


何をだろう?


「いえ……」


「それはですね?───私みたいなやつがいるからですよぉ」


───は?


「おっと……?」


なんかスタンガンを持っているんだが……?

ちょ、これやばくないかっ!


「まて!」


「待ちません……ひひっ♡……運命感じちゃった人を逃がすわけ……ないじゃないですかぁぁ?」


───ビリビリ。

激しい電気の音が、この閑静な場所で流れた。


「あっが……」


俺は意識が朦朧とする。

しかし、耳だけがまだはっきりとしていた。


「男らしくて……そして女らしくて……いわゆる姉御みたいな人……私はずっーーーっと待ってたんですよねぇ。───ぜっっっったいに、離さない」


最後に聞こえたのは、それだった。





「あ……?」


目覚めると、知らない天井だった。


「起きましたぁ?」


「ここは……?」


「私の家ですねぇ。───あ、貴方の家にもこれからなります♡」


……この人、まいと仲良くなれるんじゃないか?


「てか、名前は……?」


望月七海もちづきななみです。それじゃあ、あなたの名前はぁ?」


「えーと、龍だ」


「龍さんですかぁ……随分とかっこいい名前ですねぇ?」


「あーそうだな」


そういえば女だと思われてるんだった。


そんな時、


───ピンポーン

チャイムが鳴った。


俺は嫌な予感がした。


「はぁーい。今開けますねぇ?」


俺はベットから様子を伺っていた。


「ああああああああっ!やっぱり……同棲していたんですね?リュウ様っ、リュウ様ぁっ!」


半狂乱で叫ぶまいの姿が……あった。


「何ですかぁ?いきなり叫んじゃって」


「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!同棲しているのは私なのに、私なのにっ───あぁっ!お前のせいかっ!お前のせいなのかっ!私の……私だけのリュウ様をっ」


なんかマズい気がするんだけども。


「えへへ……♡ま、待っててくださいね?このを倒して……リュウ様を救い出してみますっ!」


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