【神々の審議会 〜お神さん、推し(お)愛(あい)無罪(ムザイ)罪(ざい)の弁明〜】

場所は、神々の座する「超次元カンファレンス・ホール」――

無限の空間に浮かぶ純白の円卓。その中心に、一柱の女神がちょこんと座っていた。

金の瞳に青い髪、白装束の裾をぶらぶらさせながら、盃を手に裂きイカを齧っているその女神こそ――

亜礪を転生させた女神・お神さん

周囲には、名だたる古きものや多次元の高次の神々たちが重々しく並んでいた。

「でも、聞いて。記憶を残したって、全部じゃないのほんの少しだけよ。

ただ――“魂に刻まれた熱”と、“すこーしだけの知識”と魂の記憶が、雷電って名の子になって残っただけ」

「ほんのすこーしだけ!?棒――・・・!あの子、生後半年で哲学書を読んでいたぞ」

「え、マジで?・・・あちゃ〜私の推し、優秀すぎ問題だわ〜〜〜・・」

ため息をつく神々を前に、お神さんは盃を空にし、裂きイカを完食する

「でもさ、みんな。聞いてよ」

彼女はくるっと椅子を回転させ、神々を見渡す。

「このままだと、私の推しは“何も遺さず”消えていた。

:「……推しが優秀で何が悪いのよっ!」

「そりゃちょっとは推しすぎたかもしれないけど!そんなこと多かれ少なかれ皆やっているでしょ!」と他の神々に逆切れした

それって、そんなに――いけないこと?もっとあからさまに派手な事やっている神(ひと)いるよねー・・・?!」ともはや誰に向かって何を言っているのか分からない事をお神さんは言い出した。

神々が言葉を失う。

お神さん:「……責任は取るよ。何か起きたら、私が出る」

雷神武御雷之尊:「……いや、もう起きているんだけどな……色々と……」

なにせ――他の神ですら複雑な魂を宿す雷電の行動に一度は、心を打たれていたのだ。

ぼそりと呟くが、誰もその場で否定はしなかった。


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どすこい!異世界転生 福岡太郎 @JMSDF225noshiro

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