世界の歪みと記憶

 強烈な違和感を感じる。

 世界が捻じ曲がってしまったかのような感覚すら覚える。


「なぁ、俺がここ数日いなかった間に何かなかったか?」

「いえ……特にはなかったように思いますが……」

「そうだよな……。いや俺の気のせいだと思うが少し違和感がな」

「確かに言われると少し違和感のような何かを忘れているような感じはします」


 リースが違和感を言われないと感じられないというレベルは正直異常だ。

 世界の何かが変わった。

 それだけはわかる。


「アミルはどうだ?」

「私も特には……」

「そうか……」

「アレク兄! 俺には聞かないのか?」

「お前は何も気づかないだろ……」

「いやいや俺だって違和感ぐらいは気が付いてますよ!」


 今のは失言だったな……。

 違和感の正体が不明すぎて少しレオンに八つ当たりをしてしまったことを後悔し謝罪する。


「レオンすまない。今のはいいすぎた」

「大丈夫ですよ! アレク兄さんが正義の信奉スティルジャスティスを1番に考えてくれているのはいつも伝わってきてます!」


 嬉しいことを言ってくれる。

 俺はくしゃりとした顔で笑うレオンの頭を撫でながら宣言する。


「一度正義の栄光グランドジャスティスの元を訪れてみないか?」

「……」


 返答はない。

 だが、この違和感の元凶は正義の栄光グランドジャスティスにある気がしている。

 謎の新人育成パーティーとギルドとの関係。

 ……それにあの時見かけた少女。

 何かが起きている。


「すまない……。ここにいる全員が正義の栄光グランドジャスティスに対して恩義と同時に様々な感情を抱えていることは理解しているつもりだ。無理にとは「……いきます」「俺も!」「私もいきます」」

「……みんなありがとう。とりあえず明日昼に正義の栄光グランドジャスティスを訪れてみよう」


 こうして俺達正義の信奉スティルジャスティス正義の栄光グランドジャスティスを訪れることにした。


――――――――――――――――――――


「今日来る人は誰だっけか?」

「確か全適性オールラウンダーの人だったような気がします」

「……何か聞いたことがある職業な気がするな」

「初めてなはずですわよ?」

「そうアル! 初めてアルよ!」


 何か大切なことを忘れている気がする。

 思い出そうとするたびに頭が割れそうな頭痛が襲う。


「ラルコスさん大丈夫ですか?」

「あ、あぁ……。何か忘れてる気がしてな……」

「ふむ。まだ記憶があるのか」

「ウンラン?」

「なんでもないアル! とりあえず一旦違和感は忘れて面接に集中するアル!」

「そうだな……。そうだよな……」


 俺は扉へと顔を向けた瞬間にギギギッと音を立てて扉が開く。

 そこに立っていたのは人の良さそうな青年とその仲間達だった。


「こんにちは。正義の栄光グランドジャスティスの皆さん面接を受けにきましたよ」

 

 

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有能な新人冒険者を追放しても追放しても加入してくる件~異世界で初心者育成系追放パーティーのリーダーやってます~ 葛城葵 @assinfony

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