夢と赤竜の閃光
街が煌々と赤く燃え、全てが滅びゆく。
積み上げたモノ全てが人類に壊されていく。
「やめて!」
「家族がいるんだ!」
そんな魔物の言葉は勇者には届かない。
「お前達は死ぬべきだ……。いや死ななければならない……」
「それはお前の傲慢だ! お前の……!」
「傲慢? なんの冗談だ? お前達は存在しているだけで悪だ。悪は滅びなければならない。それは世界の道理だろう?」
「それがお前の正義か?」
「あぁ、そうだとも。これこそが絶対の正義。勇者の正義の定理だ」
光の剣を振り上げた勇者が魔王へトドメを刺すために振り下ろす。
――――――――――――――――――――――
「今のは……何アルか……」
汗がぐっしょりと服を濡らす。
今の夢の正体は何だったんだろうか。
「魔王? 勇者? そんな御伽の存在がどうしてうちの夢なんかにでてくるアル……?」
理解が追いつかない。
「とりあえず……ラルコス達と今日はダンジョンに向かわないとアル……」
うちは見た夢を振り払って集合場所へと向かった。
――――――――――――――――――――――
「今日はちょっと上級のダンジョンへ足を伸ばそうか」
「上級ダンジョン……。あー! 確かにあそこならウンランさんのいい特訓になるかもしれませんね」
「そんなにいいところがあるアルか?」
「ふふふ。そうですわね。あそこならウンランを1人で放り出しても大丈夫そうですわね」
俺達が思い浮かべているダンジョンは一つしかない。
上級者御用達ダンジョンである「赤竜の閃光」だ。
――――――――――――――――――――――
「ここが赤竜の閃光アルか?」
「そうだ。といってもここは偽物の入り口だ」
「偽物? どういことアル?」
「ここには本物の入り口と偽物の入り口があるんです。それがなぜ作られたのか……意図は不明なんです」
「だから先人達はこの広大な荒地にダンジョンがあるだなんて思いもしてなかったわけだ。だからこうやって!」
「何するアル!?」
俺はゆっくりとウンランの背中を崖の下へ向かって押す。
ここの正解の入り口は認識阻害のかかっている崖の下にある。
認識阻害をぬけた先に存在する森。
それが赤竜の閃光への入り口だ。
「うぅ……酷い目にあったアル……」
「どうせ飛んで降りるんだから1回目は刺激的な方がいいだろ?」
「ラルコスさん私達の時もあれやってましたよね……」
「おかげでここのダンジョンはトラウマなんですわよね……」
そんなことを話している2人をよそに俺はウンランを赤竜の閃光の入り口へと誘う。
「ここが赤竜の閃光だ」
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