第4話旅の準備3

「ジャンヌ、もしかしてロラン王国の治安はよくないのかしら?」

「そういうわけではございません。ただ治安の良い国から見れば、この国は治安が悪いとなります。しかし一方で、治安の悪い国から見れば、ロラン王国は治安の良い国になるのです」

「つまり……どういうことかしら?」

「治安の良し悪しの基準は国によって違うということです。ただ、ロラン王国の治安は、他国と比べて良い方なので、ご心配なさらないでください。それでも犯罪者がゼロになることはありませんし、治安の良い国でも犯罪者は出ます。犯罪がゼロになることはありませんので」

「そう……。わかったわ」

「何事も用心に越したことはございません。さあ、お嬢様、こちらの店では服を購入いたしましょう」


 ジャンヌの案内で訪れた店は、貴族が訪れても違和感のない店構えでした。

 高級感漂う、というわけではなく落ち着いた雰囲気の店です。

 年配者が好みそうな、そんなお店。

 ジャンヌは手慣れた様子で店内に入ると、初老の店主が出てきました。


「これはこれは、ジャンヌではないか。久しぶりだね」

「ご無沙汰しております、オーナー」


 どうやら顔見知りのようです。


「それで? 今日はどんな用件なんだい?」

「今日はこちらの方の服を何着か見立てていただきたいのですが」

「そちらのお嬢様かい?」

「はい」

「ふむ。どんな服がいいのかな?」

「旅行用の服で動きやすいものを」

「旅行用か……。では、こちらへ」


 オーナーは、私を連れて店の奥へと入っていきます。

 そして、数ある服の中から、何着か見繕ってくださいました。


「これなど、いかがでしょう?」

「こういう服装は初めてだわ」

「試着なさってみますか?」

「そうしましょうか」


 そうして私は、オーナーから服を受け取り、試着室で着てみました。

 普段用のドレスもパーティー用のドレスともまるで違うデザイン。

 なんだか新鮮な感じがします。


「お嬢様、いかがでしょうか?」


 試着室から出ますと、ジャンヌが待っていました。


「とても良いわ。動きやすいし」

「それはようございました。では、これらを購入いたしましょうか?」

「ええ、お願いするわ」

「かしこまりました」


 服の支払いを済ませたところで、ジャンヌは、国を出るために必要な手続きを済ませていました。

 いつのまに……。


「列車に乗って行くのが安全かと思われます」


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