第2話
冬の夜、冷たい風が吹く中、俺は海辺の柵にもたれかかり独り絶望を感じていた。クラスメイトからは陰口を言われ、物を奪われ机に落書きをされる。また家の玄関扉にはスプレーで落書きをされ、ゴミを放り込まれる。こんな地獄の日々もいつしか日常となってしまった。そして俺の心の中に新たに芽生えたのは死にたいという感情。彼女が散々言っていたがそれは俺にとって現実味のない話だった。しかし今理解した。この深い絶望の中、全てが無意味にみえ、全てを捨てたくなるこの感情。彼女の場合は少し違うかもしれないが。それにしても皮肉なものだな。死にたいと言っていた彼女ではなくそれを止めようとしていた俺が死ぬことになるなんて。こんな皮肉な結末があるだろうか。彼女と過ごした日々は俺にとってかけがえのないものだった。しかしその幸せは一瞬にして消えていった。もう俺に今からなすすべはない。俺はこのままなぜ、誰が俺をここまで貶めたのか知ることもなくこの世から消えてしまうらしい。俺を捕まえようとする声が聞こえると同時に俺は海へ身を乗り出した。
『私』の人生は彼に裏切られた時から変わってしまった。今まで私が彼に注いでいた想いは裏返り、激しい憎しみとかわった。そして私は彼を貶めることに成功した、はずだった。実際は私の人生を絶望的なものへと変えただけだった。真実が露見してから、親からは遠ざけられ、学校では彼が受けた以上の虐めを受け通信制の高校に通うことになってしまった。全てを失った私は自分の地元から離れたコンビニで働いてみることにした。頑張ってるねー、大変だったねーなど久しぶりに聞ける人間味の溢れる言葉。何もかもリセットされた関係に私は日々の希望を見出した。
しかしそんなささやかな幸せも一瞬にして崩れた。お客さんの中に私の過去を知っていた人がいたらしい。そこから噂が広まっていき、店には数多の苦情が寄せられた。そして私に親しく接してくれた店員たちの態度も冷たいものとなっていった。私はある日、店長に呼び出された。
「君のことでうちにすごい苦情が来るんだよ。言いづらいんだけど、やめてくれないかな?」
私はなにもいうことが出来なかった。何故なら自分が悪いからだ。私の過去は一生付き纏い、一生私を苦しめる。この絶望的な状況の中で私は死にたいという気持ちに心が傾いていった。そんな苦しみを抱えた私の『終わり』はあっけないものだった、、、。
どうもクリスマスに独りラノベを書いてる悲しい作者です。だいぶ後の伏線を書きました。ミスリードかもしれないし違うかもしれないよ。ここからは付き合うまでの平和なラブストーリーを書くのでよろしくお願いします
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