第6話 AとBの対なる上司

最初からものすごく冷静に距離を取られてると感じたB女上司

まず絶対に私と目を合わさない

ほとんどの人がやらない私をちゃんと名前+さん付け呼び

徹底した敬語と丁寧な言葉づかい

距離感もやや遠い

肩くっつけてくる人に見習ってほしいとも思う


普段は頑丈な肉体なんですが特殊な理由から急激に9月より絶不調に陥ってました

それで私に近寄る事もできなくなってたお二方でした

そこへ熱中症助けた女性が用も無いのにちょびちょび近くに来るようになる

彼女はストレートに「体調悪いの?」と言いづらい事をさらっと言う人

「いえ…」としか言わない私に不信感抱いている

「じゃ眠いの?」

面倒なので「あ、まぁ、そうです…」

怪訝そうな顔をしてたが会話を切り上げた


おそらくそこから向こう側で色々会話されたりしたんだろうと思う


女上司もチラチラと近くに来てさり気なくこちらの顔色見るようになった

そんな時私はそっぽを向いてる

ここまで体調不良だと隠しきれないからだ

何とか回復させるまでやり過ごそうとしていた


B女上司が来た

「〇〇さん、ここ最近のわずかな期間でかなりやつれてますが大丈夫ですか?」

私は言葉が出ずに何かしゃべらないといけないと下を見て考える

「病気ですか?」

真剣な眼差しでこちらを見てる

「違います、病気ではないです」

「じゃあなんなんですか?最近顔見ても誰かわからない時あるくらい顔変わってますよ?どうしたんですか?」

困ったが事情説明するわけにもいかない

「詳細は控えさせて下さい、ですがあと少ししたら回復してきます、させますので…」


じっとこちらを見てる

多分何を言ってるのかさっぱりわからないんだろう

でもそう答えるしかないんです

B女上司も私が最後に出した言葉に何か根拠はないが信念を感じたのか認めてくれたようだった


その日からB女上司は目を合わせるようになりやや身体的距離も近くなった

少ししゃがんだだけで「具合悪いんですか?」と聞かれたりするようになった

B女上司も寝不足の時があるようできつそうだった

声がけしたら眠気覚ましに食べる飴をこちらにもやや遠くから投げてくれた

「よく取れましたね」

「まぁこれくらいなら取れますよ」

いちご味だった

そこにギャップを感じた


しばらく近寄って来なかった女上司も私が回復期に入りわずかに回復してきたとこからまた近くに来るようになった

だが少しぎこちない

ひと月以上こんな状態だったからまぁそうか

夏休み開けに声かけにくくなったみたいな感じに似てるのかなとも思った


近くまで来るが声かけにくそうで戻ったり来たりしてた

自分を心配してくれる気持ちはありがたいのでこちらから近くに寄って目を合わせた

手で髪を指す仕草をしながら「何か心境の変化の現れですか?」と伝えてみた

するとあまり見せない満面の笑みで会話してきた

初めて笑ったとこみた

会話が盛り上がったとこでやはり聞かれた

「体調悪かったの?」

突然言われたので私は考えて止まってしまった

余計な事言ったな、というまずそうな顔を女上司がしてた

私は目線を外してしまった

「特に、何もないですよ…」

少し小声になった

少しの間があってからまた笑顔になってこう言われた

「仕事すごいよ、かなり出来てて助かってるよ!」と言われた

真顔で目線合わせず「普通にしてるだけですごくもなんともないので」

そう伝えて踵を返し背を向けて離れた


見てくれてるのはとてもありがたい事

でも甘んじてしまう気がするので距離感は保ちたい

微妙な距離感

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