第5話 女上司と女上司の女上司
とある日
女上司がいつものごとく私のかなり近くの横に来た
いつも肩がくっつくくらいだがこの日は少し距離が離れてた(それでも普通の人からしたら近い)
きっと私の内面からあふれてる何かを感じ取って近づけないが心配されての事で来たみたい
「ねぇ…」と言われたがそのままそっちを向かず話を聞く
これがいつものスタイルではある
「〇〇さんに何かされてない?」
〇〇さんとは男の目上の人である
「いえ…」
「この前見てたよ」
「そうですか…(めんどうになってきたな…)」
「言ってあげようか?」
「結構ですので、何かあったら自分でなんとかしますから」とずっとそっぽ向いて会話をする
女上司はそれからいつもの如くずっと真剣にしゃべってた
そしてまた別の日
この日は暑く真夏
挨拶交わした時に顔色おかしい女性を見た
すれ違う時だったんで引き返して
「大丈夫ですか?帰りますか?」と聞いた
チラチラと見てるとあきらかに様子がおかしかったので上の人に報告した
遠くから(ありがと)と口だけ動かして伝えてくれてた
そんな場面を見ていた人がいたらしい
女上司の女上司
便宜上B女上司とする
よく話しかけてくるようになりこちらの方は女上司よりも品がありちゃんとした距離感も言葉遣いも真逆で丁寧だ
落ち着いた方なのでありがたい
そして話は戻る
女上司が言ってあげようか?
そう言ってた男が急に笑顔で(不自然な)手伝いにきた
おそらく私の名前も知らないのか名前を呼ばれた事は一度もない
この時もだ
気持ち悪さを感じたがすぐにわかった
これは2人の女上司が彼を指導したに違いないと
そうでなければ有り得ない話
何も触れないようにするから実際はわからないがありがたい行為であると受け取った
そこから嫌がらせのようなものは無くなった
気にかけていただける人がいてありがたく思う
夏場に声がけして帰らせた人もよく声をかけてきたり用もないのに近くにきて話しかけてくるようになった
それから女上司はよく他の人にも私にもある言葉を使うようになった
「hiro君は優しいから」
最初険しい猫科動物のような目で見られてたがだいぶ変わってきたなと感じる
実際は優しくもなくむしろ反対だと思うんですけどね
とにかく更に上のB女上司と仲良くなってからまた色んな事が変わってきた
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