第2話 自分って……
「はあああああああああああああああああああ」
今日も私の変な友達は、河川沿いで変なことをしている。変なポージングを取り始めて、歩みを止めている。
「なにしてんの」
手をおでこに当てて、顎を上にあげている。まるで自分に酔いしれている人のようだ。
「ワトソン君も思わないかい? この世は外見が一番であることを」
「……はあ」
否、自分に酔いしれている人だった。
「大概の人は、うんざりして中身が一番であるとか言い出すけど、結局外見なのさ」
「それ私に言う?」
「あ、違います違います。すみません」
危うく右手が出かけた。
「だってさ、人を一番初めに判断するのは外見じゃあないか」
決めポーズをやめて、川沿いを一直線に歩く。
「まず、見た目。清潔か、おしゃれか、判断するじゃん?」
「はあ」
「喋る前に見た目が自分の基準を達していなかったら喋らないじゃーん」
「いいすぎ」
「……じゃあ、清潔感。見ない?」
こちらをじっと見てくる。
「見るかも」
「ほらー。結局、ある程度基準満たしてなかったら喋りたいとか思わないわけじゃん」
また戻って進み始める。
「人ってそんなもんだよね」
少しよろけては、戻る。
「結局、見た目」
また進み始めた。
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