⑥-2
〈※トビとタカは、ツバメの頭の上にジェンガを置いてゲームをしている。〉
【トビ】おいおい、滅茶苦茶スリルあんじゃねーの、これ。
【タカ】な。普通にやるよりいーわ。
君を守るために
それからの僕が頑張ったこと
【トビ】はい、取り。
【タカ】はい、こっちも取り。
【トビ】(ジェンガに集中しながら)なあ、さっきよ。お前の野望を聞かされて感動したよ。
【タカ】何がよ。
お父さんとお母さんの言うことを
ちゃんと聞くこと
【トビ】全国制覇の夢を語ってくれただろ? よし、難しいとこ取れたぜ。
ちゃんと部屋の掃除をすること
【タカ】中坊の頃からだったかな? あれはその頃から胸の内に秘めていた夢よ。青臭くてお前にも話せなかったけどな。こっちも取ってやったぜ。
学校の勉強だって
ちゃんと頑張るよ
僕はいつも一番なんだ
【トビ】水臭えな。言ってくれたら一緒に高校デビューできてかもしれないぜ。
クラスのみんなとはみんな友達だし
君が「優しくしないとダメだよ」て言うから
女の子の友達だっている
【タカ】そしたら、もっとマシな高校生活を‥‥。て、無理だろ。あいつらコエーもん。
さっちゃんもみーちゃんも
僕のことが優しいから
大好きだって言ってくれているよ
【トビ】あいつらか‥‥。
【タカ】そう、あいつらよ。あ、取ったぜ。
うん。大丈夫だよ
君というものがありながら
浮気なんてしないさ
【トビ】ろくな青春じゃなかったな。
【タカ】だな。マジで散々だったぜ。
君のアドバイスのおかげかな
学校生活がすごく充実しているよ
【トビ】‥‥‥。
【タカ】‥‥‥。
牧師さんだって
僕を賢いと言ってくれているし
前にね。聖句を暗記して覚えてることを言ったら
褒めてくれたよ
【トビ】そういや、妹が俺らと同じ高校に入ったんだわ。
【タカ】あいつかー。なかなかいい性格してるよな。あのぺったん子。
あ、それに牧師さんにね
将来、牧師になってくれないかな、とか
この教会を継いでくれないかな
なんて言われちゃった
【トビ】ほい、取った。
それもいいかもね
【タカ】ほい、続けて取った。
でも僕のしたいことの第一候補は
お爺ちゃんの研究を
引き継ぐことなんだけど
【トビ】でよ。なんか俺らが伝説になってるらしくてよ。
【タカ】やべー、伝説の先輩扱いかよ。俺らの善行が今だに語られちゃってんのかよ。
教会のおじさんやおばさんたちとも
上手くやっているよ
大人な振る舞いを身につけなきゃね
【トビ】いや、メチャクチャ文句言ってくんの。
【タカ】あー、そっちか。
恥ずかしがらずに
お兄さんや、他のお姉さんたちともね
【タカ】ま、あいつもなかなかアホが突き抜けてるからな。テキトーに調子よくやんだろ。
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