しっくすす・みっしょん〈少年の飛翔〉
⑥-1
初めて君と出会ったあの日のことを
僕は忘れないよ
【トビ】そういや、こいつ動いてなかった?
【タカ】何が?
あの日、礼拝が終わったあと
教会のお兄さんとお姉さんたちが
遊んでくれたのだけど
【トビ】このガキだよ。ちょっと前に動いてた気がする。
【タカ】気のせいだろ。
僕は今よりも
ずっと小さくて
他の子たちよりも
声も小さかったから
ずっとお母さんの後ろに
恥ずかしくて隠れていた
【トビ】つか、こいつがツバメじゃね?
【タカ】あー、そんな気がしてきた。
あの時
君が声をかけてくれんだよね
【トビ】おい、ツバメ。
【タカ】ツバメ、ツバメ。
君の声は優しくて
讃美歌の歌声のように
とても澄んでいて
綺麗だった
【トビ】返事しねえ。
【タカ】ホント動かねーよな、コイツ。
だから僕は
お母さんの後ろから
出てこれたんだ
【トビ】待てよ。そこにジェンガあんじゃん。
【タカ】マジ? ひと勝負すっか。好きなんだよね。
––––驚いた
天使が微笑んでいた
【トビ】おい、ツバメ。遊んでやっから動けよ。
【タカ】おーい、おーい。ダメだ。ピクリともしねえ。
ひとめ見た時から
君に運命を感じたんだ
【トビ】しょうがねぇ。こいつの頭に乗っけてやろうぜ。
【タカ】そうすっか。
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