⑤-3


〈※ツバメは、刹那の(スローモーションな)時間の中で自分の心の声を聞く。〉



   『ツバメくんの独白』


   

    恐いのかい?

    臆病な僕


    本当は泣き虫で

    こんなところに一人でいたくない僕


    すごく混乱しているんだね    

    いつもは神童(ふふん)とまで言われている僕が

    まともに考えごとができないくらいにね


    いいかい? 僕

    

    時を待つんだ


    信じて待つんだよ


    そうすれば必ず

    神様の時(勝機)が訪れるよ


    たしかに今回の怪人たちは手強いよ

    おかしいよね こいつら


    でも、いいかい? 

    臆病で泣き虫な僕


    思い出して


    神様からもらったものは何だったんだい?


    さあ、それを持って

    立ち向かうんだ


    ひよこを守れ––––––僕



          ⚪︎



〈※ツバメの時は動き出す。〉



    ––––––ハッ‥‥!


    今のは何?

       

    すごく鮮明に

    自分の声が聞こえたけど



【タカ】ゲッフ。酔っ払っちまった。

【トビ】それ、ただのジュースだぜ。



    でもおかげで

    思い出せたよ



【タカ】夢に酔っちまったんだよ。

【トビ】野暮なこと言っちまった。



    僕は神様に貰っていた

    大切なものを忘れていた



【タカ】あ、着信入ってね?

【トビ】ホントだ。ひよこがもうすぐ戻ってくるってさ。



    そうだよ



【タカ】なんか菓子とかいろいろ買ってくるってさ。

【トビ】気が利くじゃねーか。俺らの嫁。


    

    勇気だよ

    


【タカ】ツバメくんによろしくとか書いてあるけど、そいつ誰?

【トビ】知らね。


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