⑤-2


【タカ】マジうんこに(親指)

【トビ】マジうんこに(親指)



          ⚪︎



【タカ】ま、という事でいろいろ片付いたな。落着落着。

【トビ】後片付けは大事だな。



    どうしよう

    何かを言われたら

    僕がなんにも悪いことをしてなくても

    しどろもどろになっちゃう



【タカ】さて、サクッと片付けたところで。

【トビ】ところで?



    そしたら

    邪悪なこいつらに言いようにされて

    ハメられちゃうんだ



【タカ】今後の抱負でも語ろうぜ。

【トビ】いーね。



    それでひよこに嫌われちゃう



【タカ】俺らがより幸せになるハッピー・プランを考えるぜ。

【トビ】いーね。



    ああ、どうしよう!

    

    

【タカ】本日、ひよこがめでたく俺らの嫁になった訳だが。

【トビ】訳だが?



    そんなことになったら僕は身の破滅だ

           


【タカ】俺らは末長く幸せになってしまった訳なのだが。

【トビ】訳なのだが?



    もう生きていけないよ!



【タカ】ぶっちゃけ、もっと嫁がほしい。

【トビ】そう来ると思ったぜ。


    

    どうしよう

    どうしよう



【タカ】ぶっちゃけ、一人キープできたら、もう二人三人いてもいいかな、て思いだしている。

【トビ】ぶっちゃけ、必然的で合理的にそうなるよな。男として。



    何かいいアイデアはないの?



【タカ】日本にはまだまだ俺らが出会ってねぇ。運命の嫁たちがいると思うんだよ。

【トビ】まあな。常に運命の可能性を感じるよな。男として。



    あ、そうだ

    だったら



【タカ】俺らの愛は大きい訳じゃん。

【トビ】まあな。空の大きさよりでけぇぜ。何なら宇宙を超えてる。



    すぐにダッシュで部屋を片付けてしまえばいい



【タカ】で、俺らのビックな愛は大きすぎてひよこだけじゃ収まりきらないと思うのよ。

【トビ】と言うと?



     あー‥‥‥。



〈※ツバメは気づかれないように、わずかに首を動かして部屋を見渡す。〉



【タカ】ひよこから溢れちまう。

【トビ】ああ、なるほどね。ひよこ一人だけじゃ、俺らの巨大な愛は収まりきらねぇて訳か。



〈※ツバメは部屋の惨状を確認する。〉



    ‥‥これは無理だね



【タカ】溢れて零れちまうようなものを捨てちまうようなことをするのは勿体ないだろ? エコじゃねえ。だからもっと数を増やして、広げてゆかねーと思っている。それが俺らの使命だともな。

【トビ】確かに単数で上限を切り捨てるのは惜しいよな。もっともな話だ。



    じゃあさ

    じゃあさ

    何かアイテムはないかな?



【タカ】ぶっちゃけ、もう二人三人と言わず、もう俺らの嫁は全人類の半数の中から、よりどりみどりでいいんじゃねーかな。

【トビ】ざっくばらんに言えば、お前の言ってることは全人類の半数の総意だぜ。



    僕の身体に

    張り付いたり巻き付いているものは‥‥‥



【タカ】そこで野望を語りたい。

【トビ】どうぞ。



〈※ツバメは気づかれないように恐る恐る首だけ動かして、自分の体に身についているものを確認する。〉



    洗濯バサミだったり

    スーパーのチラシだったり

    タオルだったり‥‥



【タカ】俺らはよ。嫁1号であるヒヨコを足掛かりにして、各都道府県に進出するんだ。それで嫁を2号3号と増やして、やがて全国制覇を目指すぜ。おっぱい統一戦だ。

【トビ】こいつ、遅れてきた中坊みたいな野望を語りやがる。でも嫌いじゃないぜ。

    


    団扇だったり           

    ひよこのアクセサリーだったり

    スイカ柄の水着だったり‥‥



【タカ】なあ、トビ。戦いてーと思わないか。全国目指して、まだ見ぬ最強のおっぱいたちと。

【トビ】お前の器は狭い地元にゃ、とうてい収まりきらねーと思ってたよ。全国制覇? 面白れぇ。いいじゃねーか。



    というか、なんなのさ!

    僕のこの格好は!



【タカ】こっから俺らの旗を掲げてやろうじゃねーか。

【トビ】挑まざるを得ねぇ。そこに巨大なおっぱいがある限り。



    あー、ダメだ!

    頭がぐるぐる回る



〈※タカとトビは冷蔵庫から、おのおの缶ジュースを取り出している。〉



【タカ】へへ、行こうぜ。トビ。(缶ジュースを掲げる)

【トビ】へっ、しょうがねーな。タカ。(缶ジュースを掲げる)



    ちっともいいアイデアが浮かばないよ!

    


【タカ】俺らの見果てぬ夢に向かって。乾杯!

【トビ】俺らの終わらぬ旅路へ。乾杯!



    神さま、助けて!


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