ふぃふす・みっしょん〈少年ピンチに陥る〉

⑤-1


【タカ】ふああ。ピヨちゃんと結婚してあげたし、やることなくなっちゃったな。

【トビ】おっせーな。俺らの嫁。なにしてんだ?



    こ、こいつら



【タカ】帰ってきたら夫としてビシッと言っとかなきゃなんねーな。

【トビ】だな。それがデキる夫の務めよ。



    本当にやっつけないと

    


【タカ】しっかりと俺ら色に染め上げてやらねーと。

【トビ】パステルカラーにしようぜ。



    でも、どうするの?

    こいつらアホすぎて

    ジョーシキ的な手段が通用しなさそうだぞ



【タカ】楽しみだなー。へっへっへ。

【トビ】へっへっへ。



    うーん

    うーん


    う〜〜〜ん



【タカ】なあ。ところでよ。

【トビ】あん?

        

    

    ‥‥‥うん?



【タカ】なんかこの部屋、汚なすぎじゃね?

【トビ】これって、結構まずくね?



    ‥‥‥‥。



〈※小綺麗にされていたはずだったヒヨコの部屋は、今やものすごく散らかっている。〉



【タカ】‥‥‥。

【トビ】‥‥‥。



    ふ、ふははははは!



【タカ】‥‥‥。

【トビ】‥‥‥。



    そうだ

    よく考えたら

    そうだったんだよ!

    


〈※自分らがやらかしたとんでもない惨状を見て、二人はしばし言葉を失う。〉



    ヤッタ、ヤッタ、ヤッタッター♪

    もう勝負は決まってたんだ

    


【タカ】‥‥‥。

【トビ】‥‥‥。



    ふははは!

    怒られてしまえ

    嫌われてしまえ



〈※どこを見渡してみても、散らかり放題になっている。〉



    箴言を知ってるかい?

    悪人は自分の掘った落とし穴に

    落ちるものなんだぜ



【タカ】ま、でも。

【トビ】うん?


    

    天罰じゃ

    お前たちは懲らしめられるのじゃ


    ふははははは!



【タカ】ガキは散らかすものだからな。

【トビ】だな。



    おい



【タカ】ヒヨコが帰ってきたら、あいつの前でカッコよく俺はこのガキに言ってるやるぜ。「メッ!」てな。

【トビ】マジかっこいい。マジで頼れる男だわ。



    お、おい!



【トビ】でもこのガキ、さすがに口答えすんじゃね。

【タカ】そしたらこうよ。(拳を作って息を吹きかける)



    まずいぞ

    こいつらなら本気でやりねないぞ



【トビ】やっちまったなー。やんちゃ坊主め。

【タカ】まったくよ。しょうがねーガキだぜ。



    た、大変だ

    僕はとっても口下手なんだ

    ピンチだよ!



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