ふぉーす・みっしょん〈悪党どもの宴〉

④-1



【タカ】おい、コレ(つばめ)。さすがに気にした方がいいんじゃないか。

【トビ】だよな。



    まずい

    また気づかれた!



【タカ】動かねーな。

【トビ】やっぱりポンコツロボットかよ。


   

    じっとしてるんだ



【タカ】なんか動かし方あんだろう。

【トビ】どっかにスイッチないか?



    こいつら

    すぐに興味を失うから



【タカ】首の後ろとか背中に付いてねぇ? 

【トビ】あ、あった。て、これホクロか。



    ドキドキドキ!



【タカ】つまんねぇの。

【トビ】飽きんのはえーな。



    よかった

    助かった



【タカ】ちょっと思いついたぜ。こいつ(つばめ)を使って、現代アートに挑戦してみっか。

【トビ】面白そうじゃん。



    ダメだった



【タカ】そこらに落ちてるモン拾ってやるぜ。

【トビ】手伝うぜ。



〈※二人は部屋中に散らばっている物でツバメを飾り付け始める。〉


    

    そんなもので僕を巻くな!

    そんなものを僕の頭にのせるな!



【タカ】これ、こうか?

【トビ】こうした方が芸術的じゃね?



    くっそー

    やられたい放題だし

    ひよこの私物がひどいことになってる



【タカ】おい、動かすなよ。集中するとこなんだからよ。

【トビ】あ? 動かしたのお前じゃね?



    あ、気づかれちゃう

    ジッとしよう



【タカ】サプライズしてやんなきゃな。

【トビ】誰に?


   

    ドキドキドキ



【タカ】そろそろアイツが帰って来るからさ。あ、俺の彼女のひよこにな。

【トビ】俺のな。



    僕のだよ



【タカ】いまコイツ、ちょっと動かなかった?



    しまった!



【トビ】気のせいじゃね。

【タカ】そうか?



    ドキドキドキ!     



          

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