②-2



【トビ】その点ひよこ先輩は包容感があってよ。何を言っても怒る気配がねぇ。

【タカ】わかるぜ。おっぱいが大きしな。器も大きんだわ。



〈※ツバメ、変身開始。前口上を始める。〉



    超新星!

    疾風の黒弾

    


【トビ】スゲー、優しくてよ。話してるだけで明るい気持ちにさせられていく感じ?

【タカ】よくわかるぜ。あの人のおっぱいは笑顔が溢れているよ。


    

    羽ばたく銀河の革命!

    


【トビ】それでいて、何事も一生懸命でよ。今日も俺らを自宅に集めてまでよ。あんなクソサークルのつまんねぇ企画のために頑張っちゃってよ。俺らみたいに適当にやるとか、力の抜き方を知らないつーか。

【タカ】わかるわかる。おっぱいがいっぱいに汗をかいて、いつも張り切ってる感じだよな。



    幾星霜の刻を経て



【トビ】そうそう。あの人、ほんと健気でマジうんこだよな。俺はリスペクトなわけよ。

【タカ】‥‥おいこら、待てトビ。今のは聞き逃さないぜ。テキトーなこと言ってんじゃねーよ。



    孤独の星は

    一対となる星を見つけた



【トビ】あん?

【タカ】お前よ。言うに事欠いて、俺らの親愛なる先輩をうんこ扱いはねーだろ。



    その星の名は



【トビ】は? うんこなんて言ってねーだろ。

【タカ】言っただろ。先輩のこと、マジうんこだってよ。



    『憧れ』



【トビ】あー、それか。マジうんこと書いてクソ真面目っていう意味らしいぜ。

【タカ】あ?



    『遠き人への願い』


    

【トビ】だから、『マジ=真面目』で、『うんこ=クソ』で、『クソ真面目』よ。

【タカ】なんだそりゃ?



    そして、––––



【トビ】妹に聞いたら、今JKの間で流行ってるらしぜ。

【タカ】マジかよ。今時のJKども意味わかんねぇ。



    ––––『恋』



【タカ】ま、でも、JKどもが言ってることなら納得するぜ。

【トビ】物分かりいいな。



    孤独の星は祈求して

    手を伸ばす



【タカ】あいつら基本アホだからな。

【トビ】だな。



    たとえ星の命を幾千億越えるほど

    遠くても

    


【タカ】マジうんこに。(親指)

【トビ】マジうんこに。(親指)



    けして届かないと

    言われても––––––僕は!



【タカ】唐突にやってみたけど、意外としっくりくるな。

【トビ】けっこういいな。いま俺の中でバズったぜ。



    愛する星にたどり着くために

    何度でも生まれ変わる!



【タカ】タイミングもカンペキだったぜ。

【トビ】やべー。阿吽の息づかいだ。俺らマブだからな。



    行くぜ!

    時代の最強!!


     

【タカ】ところで気になることがある。

【トビ】おうよ。



    へ〜〜ん〜〜



〈※ツバメ、腕を旋回させながら、変身の決めポーズに入る。〉



【タカ】なんでこのガキ。パンツ一丁になってるんだ?



          ⚪︎



【トビ】そいつは俺も気になっていたところだ。



〈※トビはツバメの首根っこを掴む。するとツバメの動作は止まる。ツバメは服を脱いでいて、なぜかパンツ姿である。〉



    あっ!



【タカ】そのガキ。壊れた玩具みたいに動かないんじゃなかったのか?



    しまった!

    


【トビ】アレ? また動かなくなったぜ。

【タカ】なんかさっきからカッコつけながら服を脱いでたけどよ。



    もう少しだったのに

    捕まっちゃった



【トビ】急に大人しくなりやがる。首根っこ掴まれたネコみたな奴だな。

【タカ】何なのコイツ?



    どうしよ

    どうしよ



【トビ】さっぱり意味わからねぇ。

【タカ】ガキは意味のわからねぇことをするもんなんだぜ。

【トビ】そうだった。



    すっごいピンチだ


    

【タカ】でもよ。

【トビ】あん?


   

    どうしよ

    どうしよ



【タカ】いい暇つぶしが見つかったぜ。へっへっへ。

【トビ】だよな。へっへっへ。



    お爺ちゃん、どうすればいいの?



          ⚪︎   



【タカ】そう言えば俺らって、そのガキの面倒見とけって言われてなかったっけ?

【トビ】思い出したぜ。言われてた気がする。



    あ、‥‥‥‥あ



【タカ】それじゃあ、いっちょメンドーみてやるかね。

【トビ】そういうことなら、しょうがねーな。へへ。



    ‥‥‥もうだめだ

        


【タカ】ひよこ先輩のお達しだ。たっぷりと可愛がってやらねーとな。

【トビ】このガキを使ってどうやって遊んでやろうかな〜。


    

    僕は悪いオオカミたちに

    捕まってしまった



【タカ】へっへ。

【トビ】へっへっへ。



    ごめんね、ひよこ

    僕は君を守れないかもしれない



        

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