平安月影記譚――転生かぐやと新米陰陽師怪異録――
海月
――第1章 仏の御石の鉢――
「
と思ひて、かぐや姫のもとには、
「今日なん、天竺へ石の鉢取りにまかる」
と聞かせて、三年ばかり、
ひろげて見れば、
『海山の道に心を尽くしはてないしのはちの涙ながれき』
かぐや姫、光やあると見るに、蛍ばかりの光だになし。
『おく露の光をだにぞやどさましをぐら山にて何もとめけん』
とて、返し
『白山にあへば光の
と
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