金色と花火が彩るふしぎな温かさ

お正月を迎えるのにぴったりな、ふしぎで温かいお話でした。作中にたくさん出てくる金いろの表現が新年の気分を高めて、冬の神社の情景がうつくしく浮かぶような文章が素敵!

すこし刺々しさがあって自分の棘を嫌悪してしまうすずねと、大らかで無防備なみかという二人の性格の噛み合いもとても良くて、不思議な出来事を通してみかがすずねの気持ちを包み込むところや、すずねの行動が少しづつ柔らかくなっていくところの読後感に、この季節にこの作品が読めて良かったなと思いました。