車庫入れを考える

　免許はあるんです。でも、車は持ってないんです。なのに、仕事で車を運転するんです。

　普通に道路を走る分には、特に問題ないんです。状況判断とかそういうのは、たぶん。

　でも、車庫入れは少し苦手。いまはマシになりましたが、最初は苦労しました。でも、縦列駐車はいまも苦手かな。

　仕事でよくあるシチュエーションは、やはりコンビニやスーパーなどの駐車場への駐車。あの白い線の中にまっすぐ左右等間隔に停車させること。どうにも苦手なんです。

　で、いろいろ考えました。

　まず、問題はまっすぐ入らないこと。

　ほら、車って運転席が中央にないじゃないですか。しかも車体って真四角ではない。丸かったり斜めになってたりで、ボンネットにもボディーにもまっすぐの指標がない。

　白い線の中にまっすぐ入れたつもりが、なんか斜めに進んでてズレる。

　どうすればいいかを考えました。まっすぐ入らない理由を。

　車がまっすぐ線の中に入らない理由に、実はふたつの要素があることに気づくのに、ずいぶん時間がかかりましたよ。

　このふたつを混同しているから、いつまでもまっすぐ入らなかったんだということに、あるとき気づいたんです。

　まず、まっすぐでない要素のひとつ目は、ハンドルがまっすぐでないこと。ええ、ステアリングとか格好いい言葉はやめて、ここはハンドルにしときましょう。

　ハンドルが中央の位置になく、右か左に切れた状態だと、車はまっすぐ進みません。まず、ハンドルを中央位置にもどす。これが第一の要素です。

　が、ハンドルって丸いですよね。しかも、なんか妙に上下対称でどっちが上だかわからない。

　まずはハンドルの形を覚えましょう。上向いてるか下向いてるか。それくらいは覚えましょう。それよりもまず、半回転分切るのをやめましょう。

　ハンドルは右に二回、左に二回しか回らない。だったら、一回まわしたか二回まわしたかを覚えればいい。

　半回転まわしたかったら、手を離さずにやればいい。半分までは持ち替えずに回せるはずだから。

　そうすれば、いつでもハンドルを中央に位置にもどせるはず。

　よし、これで車はまっすぐ動くはず。

　第二の要素は、車体が線に対して真っ直ぐではないこと。これがそもそもの問題でしょう。

　白線に対して車体が曲がっていれば、ハンドルが中央位置でもまっすぐ入りません。

　車庫入れが難しく感じるのは、この、ハンドルが曲がっていることと、車体が曲がっていることを混同してしまうからではないでしょうか。

　このふたつを分けて考えることから、始めましょう。まず話はそこからだ。

　さて、これで車はまっすぐ進むはずだから、いよいよ駐車。

　これはいろんなシチュエーションがあるけれど、結局は白くて四角い枠の中に、車をまっすぐ入れるだけの話。難しく考える必要はない。

　が、それを難しくするのは、ハンドルの切れと車体の傾きの混同と、あとひとつ。ハンドルを切り始めるタイミングだ。

　極論すれば、ハンドルを切り始めるタイミングさえ合っていれば、車はあの白くて四角い枠のなかに綺麗に入るはず。

　では、そのハンドルを切り始めるタイミングとは？

　まず、前向き駐車から考えましょう。空いているスペースに、頭から入って駐車するアレです。コンビニなんかでは前向き駐車推奨ですね。

　これはですね、シンプルに説明すれば、通路をブーンと走ってきて、空いている四角い枠を見つけたら、四角い枠の線と、車のフロントドアの取っ手が重なったタイミングでハンドルを全切りすれば入ります。

　なんかそういう構造になっているみたいです。

　あとは、車がまっすぐになったタイミングでハンドルをまっすぐに戻します。二回まわしているから、二回もどせばハンドルはまっすぐ。

　右か左に寄っていた場合の微調整は、ハンドルから手を離さず半回転までで行いましょう。

　やり直す場合も、ハンドルがまっすぐなら、そのままバックさせればまっすぐ後退するし。

　あと、基本的に駐車時はハンドルはまっすぐに戻しておきましょう。面倒くさがってこれをやらないと、何かと問題を起こすことが多いです。

　ちなみにぼくは前向き駐車は極力しません。出すときに後方が見えづらく接触の危険があるからです。

　通常の切り返しでも、バックは最低限にしています。接触事故のほとんどはバック時に起きていると聞いたことがあるからです。

　ぶつかるのが電柱とかならいいけど、人とか犬とか子供とかだったら洒落にならないからね。

　さて、後ろ向き駐車では？

　通路をブーンと走ってきて、空いているスペースを見つけたら、後ろ向きでバックして駐車する場合は、前向き駐車とはちがって一旦駐車スペースを通り過ぎる必要があります。この通り過ぎが、足りなかったり多かったりすると、上手く入りません。

　この場合はですね、シンプルに説明すると、通り過ぎたあと、駐車するスペースをしっかりサイドミラーに映しましょう。そしたら、バックさせながら、後輪と線の間隔を目視しつつ、ハンドルを二回もしくは一回まわして入れていく。まわした回数は覚えておきましょう。

　大丈夫、二回か一回しかないから。

　駐車スペースをサイドミラーに映していれば、それほど大きな調整は必要ないはずです。

　サイドミラーで左右の間隔を確認しながら後部を入れ、車体がまっすぐになったタイミングで、ハンドルを中央にもどしてまっすぐ後退。微調整はハンドルから手を離さず。

　後退時は基本サイドミラーで白い線との間隔を確認しますが、バックミラーで後方確認。バックモニターで後方下部も確認しますが、バックモニターはあまり頼りにし過ぎると危険です。

　ということで、結論はふたつです。

　前向き駐車では、線とドアハンドルの位置を合わせること。

　後ろ向き駐車では、サイドミラーで入れる場所を映すこと。

　これでだいたい綺麗に入る！　はずです。