「心の闇」を抉り出し、炙り出す。そして容赦無い光を浴びせる名作

隣に住む至って普通の少女「りんちゃん」
そんな彼女を取り巻く状況を淡々とした筆致で描いていく短編ホラー。

でも……紛れも無く恐ろしい。
それが物凄いことだと思いました。

こう言った「淡々と描く」系のホラーは、作者に文章力や構成力が無いと、たちまちボロが出る。
そして読んでて、苦痛を感じさせる。
ごまかしが効かないので。

そんなタイプのホラーだが、この作品は間違いなく「飽きさせない」
一話目を読んだら、そのまま最後まで読んでしまう。

りんちゃんを取り巻く不穏さ。
それは淡々としているけど、まるで文字どおり真綿で首を絞めるよう……

そしてこの作品の白眉とも言える最終話。
ここで「人の心の闇」を容赦なく抉り出し炙り出し、強引に光を浴びせる。

でもそれは頷いてしまうような説得力と、良い作品を読めた満足感を同時にもたらしてくれる。

ぜひ第一話をご一読下さい。
そこから最終話まで止まらなくなっているはずです。

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