義賊として今日も世直しをする――。

ユーモアとほっこりを織り込んだ、個性的な主人公ギンの物語です。


ギンは伝説的な大盗賊団『影の牙』の五代目頭領として恐れられる立場にいながらも、血を見ることが苦手で「パン屋になりたい」という夢を抱くという、普通の盗賊とは真逆の性格が魅力的です。


そのギャップから生まれる日常のシーンは、読んでいて思わず微笑んでしまうような温かさがあり、盗賊としての戦いとギンの素直で優しい“義賊”としての活躍が心地よい緩急を生んでいます。


義賊として世直しをすることで周囲の人々の生活を良くしていく様子は、ただの冒険譚を超えた人間ドラマのような味わいも感じさせてくれます。