小説投稿サイト「カクヨム」で巻き起こる不可解な事件と、迫る恐怖


この作品は、カクヨムが舞台となっているので、カクヨム上で活動している人が読むと特に怖いのではないでしょうか。

最初はなんの変哲もない、カクヨムの近況ノートの転載から始まります。転載されているのは、カクヨム上で活動している「御手洗タライ」氏の近況ノートです。新作を公開したお知らせや、更新のお知らせなど、カクヨムを使っている人なら誰でも見たことがあるであろう内容です。
御手洗タライ氏の近況ノートやエッセイには、書き手として共感できるものが多々あり、読んでいるとだんだん御手洗タライ氏を応援したくなります。

出てくるエピソードがリアルで、作者様はかなりウェブ小説投稿サイト界隈に精通している方なのだろうなと感じました。

しかし、作品内の語り手は、なぜわざわざ他人の近況ノートを転載しているのか?
冒頭には、何やら忌まわしいことがあって、それについて伝えたいことがあるから、と書かれていました。
そのことについて深くは明かされないまま、転載が進んでいきます。何のための転載なのか分からなくて、じわじわと怖い。

そして、「ふじたこはく」という別の人の近況ノートが転載されるようになってから、物語は「じわじわと怖い」から、「ガチで怖い」に変わっていきます。一体どんな忌まわしいことが起こったのか、徐々に明かされます。

テンポもよく、続きが気になって、一日で全部読んでしまいました。

一連の出来事の謎や仕組みが解けた時は、鳥肌ものです。私も騙されていました。


さあ、そこのあなたもこの作品に

 必ず星をみっつ

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