第2話 辺境の町ジーハベク
鳥のさえずりが聞こえる。
なんだろ?今までで住んでた家ででは聞くことがない。
閑静な住宅地だったが、車の音は聞こえた。
鳥のさえずりなど学生時代に行ったキャンプの朝とかだ。
俺はそっと...目を開けた...。
【俺】
『んんっ...あれ?ログ・・ハウスか?』
目を開けると天井部分に丸太が見える。
不思議と体の痛みはなくなっていた。
両手を握っては広げてを数回繰り返した。
【俺】
『ああぁ...良かった!両手の感覚はあるんだ...』
周囲を見てみるとやっぱり木で建てられたログハウスだった。
このご時世に珍しい。
日本家屋や木造建築が好きなのでなぜかどこかホッとした。
【俺】
『いや!ちょっと待て...ここは誰の家なんだ!...え??』
意識がはっきりするにつれ混乱してきた。
【俺】
『俺...確かに死んだんじゃ...?あれ...でも感覚も意識もある...』
スーツで出勤してたはずなのに、今は薄手の布の服を着ている。
しかも木製の底上げしたただの板の上で寝ていた。
おかしい...病院だとしてもベットじゃないし何故ログハウスなんだ....
とりあえず外に出てみよう!なにがなんなのか...
出入口らしき所に扉はなく、布切れみたいなもので仕切っていた。
光が差し込んでいたのでそこから出よう。
出ようとした瞬間...
【俺】
『いってぇぇぇ...!なんだ...?』
何かにぶつかって弾き飛ばされるようにしりもちをついた。
【謎の男】
『おおおぉ!起きなすっだが!えんれーねてたがやな!心配したぞ!』
逆光で何かわからなかったが声的には男だ。
近づいてきたときに不意に構えてしまった...。
【謎の男】
『あんた、五日も寝てたから死んでんじゃーねーか?って話になってたんだ?』
まったく誰なのかわからないが看ていてくれてたみたいだ。
俺は感情のままに男の胸ぐらをつかみかかった!
【俺】
『いや...お前誰なんだよ!!ここはどこだ!なんで俺がここにいるんだよ!!』
死んだはずの俺が生きている...
見たことのないログハウス...
底上げされた板のベッド...
謎の男...
起きて早々、意味が分からなくなり、突っかかってしまった。
【謎の男】
『そんなけ元気があれば十分だ。さ、飯でも食うべ。』
男は怒らなかった。
何故か虚しさとともに申し訳なくなった。
【俺】
『あ...。すいません。ご面倒をおかけしたみたいで...ありがとうございます。』
男は高らかに笑いながら外に出て行った。
俺はその後についていき、外に出た。
太陽の光が眩しい...
山の中...か?緑に囲まれた集落みたいなとこだった。
男が歩いていく方向についていった。
【謎の男】
『あんちゃん、何て名前だい?俺はマコリってんだ。よろしくな!』
【俺】
『俺の名前はコウジ。寝かせてくれてありがとう!助かったよ。』
すごくいい匂いがしてきた。
五日間も寝ていたからだろうか?
お腹がなり、生唾を飲み込んだ。
【マコリ】
『さぁ!あんちゃん、ここがこの村の集会所だべや。』
恰幅のいい女性が調理していた。
周りにも慌ただしく用意をしてくれる人も数人いた。
【恰幅のいい女性】
『あたしはここの調理人の、マーサだよ!にいちゃんよく寝たねー!もうできるから待ってな!』
丸太を横にブツ切りにしたような椅子に腰かけた。
テーブル...か?丸太を縦に切った物を並べて布切れをかけていた。
【マーサ】
『あいよ!おまち!!大皿に見たこともない料理があった!』
『これはの近くの川で取れたマリーナコって魚だよ!』
俺は食らいついた!
魚はあんまり好きな方じゃなかったけど...
【コウジ】
『マジでうめぇ!こんな初めて食ったよ!』
マコリも笑っていた。
マーサは満足そうに見ていた。
【コウジ】
『ところで...ここはどこなんだい?』
【マコリ】
『ここは都から離れた町。ジーハベクってんだ!』
ジーハベク...?やっぱり聞いたこともないな。
そんなに海外の都市に詳しいわけじゃないけど...
お腹も満たされてきたし色々と聞きたいことが出て来た...!
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