シャルルⅢとリセリアⅢの幼少期
アカデミーの幼年クラスはざわついている。
十月過ぎになるが、自己紹介しよう。
僕の名前はシャルル・ヴァレール・ド・シャルモン三世。
長いよね。
テストに名前、書くの鬱陶しい。
ついでに家族についても聞いてほしい。
昔、おじいちゃんに洗礼名を洗い流してほしいと言ったら、笑顔でゲンコツが飛んできた。
めっちゃ怖い。
今のご時世なら訴えることができたと思うんだけどね。
あ、君は笑ってもいいよ?
これでも、僕はおじいちゃんっ子の良き孫なんだから。
親がご先祖さま大好きの歴史オタだったため、"シャルル" と名付けられた。
あの、謎が多くてロマンチストで有名な公爵と同じ名だよ。
幼い僕に与えられた分岐点、 選択肢は2つ。
この名を厭うか、誇るか。
→「あ"あ"ん!? グレるぞ、クソが!!」
→「わぁ……めっちゃ、気に入ったよ!!」
まぁ、僕は後者を選んだ。家族思いの温厚な人間なのだよ?
不思議なものだ。選んでしまうと、"シャルル"を愛してしまうんだから。
こうして、僕はシャルルのことを考え、綴るようになったわけである。
わかった? リセリアさん??
リセリアⅢ「ふーん。うちと同じねぇ」
自由帳の上で、自慢の金の髪をユラユラさせながら、彼女は黒髪の王子様とかわいいお姫様を描いていた。
一方、僕は壊滅的にデザインセンスがないので、散文を書き殴っていた。
リセリアⅢ「まだ、子どものくせに、"幼い僕"とか、子どもの頃語り?」
痛いとこ、ついてくるなぁリセリアは。
でも、境遇が似ている幼馴染のことが、僕は好きだった。
いや、現在進行形で好き。
……いっそ詩にして、贈ってやろうか。
リセリアⅢ「本人の、目の前でラブレター書くの、狂ってるね……?」
シャルルⅢ「えっ?」
憐れみの目を向けられた。……正直、これワクワクする感じが止まらないんだけど、黙っておいたほうがいいだろう。
リセリアⅢ「言ったほうが、早いよ」
シャルルⅢ「え"っ!?」
彼女は少し首を傾げて言った。
リセリアⅢ「好きって、はっきり言ったら?」
あぁ、そっちね。良かった。
シャルルⅢ「好きだよ、リセリア」
リセリアⅢ「はっきり、言うな」
えっ?? 理不尽???
あ、違う? ちょっと彼女の
かーわーいーい!!!
忘れないように、書いておこう。
リセリアⅢ「だから!! 本人の、前でそういうこと、書かないでよ!!!」
シャルルⅢ「いーじゃん、いい事しか書いてないんだし!」
……この後、先生に「流石に、静かにしな?」って言われた。
さらに後?
彼女が今の奥さんである。 もちろん、先生ではないよ。
……わかるね? この話はここで終わり。
続きは、またいずれ。
fine
Charles III
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