透明な仮面の下に秘めた、夜の帳にそっと咲く初恋

誰もが素性を隠し、一晩の恋人を見つける「退廃と淫靡の仮面舞踏会」。

17歳になったオフィーリアの、最後の自由時間。
仮面に、金の髪。菫色のドレスは、彼女の心のように静かで儚い。

――目の前に現れたのは、幼いころから憧れていたアルベルトお兄さま。
呼び起こされる、純粋で無垢な愛情。
手を取られ、背に回される一瞬の温もり。

……恋心と現実の間で揺れ動く、淡い想い。

微妙な距離感を取りながらも、オフィーリアの心の機微が繊細に描かれています。

……そして、始まる最後の曲。
流れるたび、胸の奥の記憶が震える。終わりと共に封じられる、少女の恋と、永遠。

「……まさか、、オフィーリアか？」

仮面の下の恋心がついに露見する瞬間。思わず胸が熱くなりました。

🌙🩰

『誰にも見られることのない透明な仮面をつけながら。』

最後のフレーズに、胸の奥がそっと震えました。

現実を受け入れながらも、心の奥で思い出を抱くオフィーリア。
報われてほしいけど決して報われない、やがて散る、ひとひらの花のような初恋。

それでも……仮面の下に封じられた恋は、心の奥深くでひっそりと
生き続けるのかもしれません――


波間に揺れる月明かりのように、


静かに輝いて。