消えた小鳥

Yukl.ta

消えた小鳥

ある日の夜。

台所で夕食を作る母に、娘が言いました。

「お母さん。私、鳥が好きなんだ。」

「あら、そうなのね。」

母は娘のために、さっそく鳥籠を買ってきました。


しかし。


一匹目の白い文鳥は、飼い始めて翌日に籠から消えました。


二匹目の青いインコも、飼い始めて翌日に籠から消えました。


三匹目こそはと思い、羽切りをした黄色いカナリアを飼い始めました。

もう飛んで逃げる事はできないでしょう。

けれど翌日には、そのカナリアもまた籠から消えました。




その日の夜。

台所で夕食を作る母に、娘が言いました。

「お母さん、私、鳥は飽きちゃった。今度は犬がいいな。」

そう口にする娘の口元から黄色い羽がはらりと落ちる。

「あら、そうだったのね。」

勘違いをしていた母は納得し、娘のために、さっそく犬の首輪を買ってきました。

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消えた小鳥 Yukl.ta @kakuyukiyomu

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