第一の槍の書〜陽刻の章 〜(戦闘技術)

(正典「鉄の章」「胞子の章」への反論)


 かの書は『鉄』と『魔力』を禁忌とする。

 だが我ら『狩人』の力は、そのどちらでもない。

 我らの力は、我らが肉体に刻まれた『陽』の刻印、『陽刻』である。


 我ら『獣人』は、『陽』の眷属。

 その灼熱を呼吸とし、その光を血肉とする。

 『陽刻』とは、自らの獣性を『陽』の熱で焼き、制御する技法である。


『陽呼』の型: 砂漠の熱を集め、己が爪牙に『陽』の力を纏わせる。深海の『幽』なる力を焼き切る唯一の手段。


『砂走り』の型: 砂漠と一体となり、砂の流れを読み、敵の攻撃を見切る。


『渇血』の型: 己が体温を極限まで高め、肉体の限界を超える力を引き出す奥義。だが、長く使えば己が身を『陽』に焼かれ、灰と化す諸刃の剣。


 『獣人』の力は『傲慢』ではない。

 『陽刻』をもって制御されて初めて、『力』は『槍』となる。

 『陽』を恐れるな。それこそが我らの力の源泉である。

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