第13話 戦乱続く大地 

ジョン=ドゥ達使徒が産み出されたこの戦乱の大地はキーランド。

実に安直な名前だが、創造神が新たな世界として豊かな鍵を開ける大地という意味で名付けた世界なのだが。


思いのほか産み出した種族や神や精霊達が血の気が多いようで戦乱が常に続いている。


ある神が強力な魔法を与え文明を滅ぼし、また新たに産み出したと思えば精霊が暴走し、また衰退する。


ジョン=ドゥは様々な文明を見ながらため息をつき、楽しみ辛い思いをしながら生活している。


それは他の使徒も同様である、種族の違いこそあれど様々な観点で憂いをもっている。それでも人や生命はきちんと営みを起こし世界に存命をしている。


戦乱は時に衰退し、時に技術を向上させていく。


人の死を燃料として生活を向上する国もあれば、技術を学び生活を向上させて豊かにする国もある。


ジョン=ドゥはなんだかんだ言うものの基本は戦争はあまり好まない派ではある、ジョンは詳しくはないが、戦争は戦うという選択をする時点で人的人材の消耗や物品や技術の消耗があると思っている。


拮抗しているうちに戦いが終わればいいが、国力が低いもののほうが明らかに消耗するのは眼に見えているし、平和に暮らしている民を軽くみる国家は健全とは思えないので、悪魔的な観点からして面倒そうな国はある程度滅ぼしている。


本来ならば聡明な人間や種族が平和的に会話すればいいわけだが、戦乱の世の今、そこまでの言葉を綴る人種なんてなかなかいないので、自分の配下をもぐりこませてそれとなく安全地帯をつくるようにはいしている。


あくまでこの世界は創造神の管轄と認識しているので、結局の所、自分が救いたいものだけ救えればいいのかなあとはジョンはおもっている。


どんな技術も誰かを救いもするし、どんな技術も誰かを殺しもする。

人は愚かでもあり善きものでもある。


命が対等であると誰かはいうが命は対等でないとおもう人達もいる。

人間や知性ある種族ほど自分達の上下をはっきりさせるようにできている。


そこの部分はつまらないが、まあそれでも世界はまわる。

一時的な終わりの先にある仮初の平穏の中でまた新たな火種をかもしだしながら

いずれ終るであろう希望を願い生きる命を見ながらジョン含め使徒たちや永遠を生きる者達は観察している。


世界の終りとはじまりを。




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