第9話 原初の悪魔アイリーン

ジョン=ドゥを筆頭に生まれた最初の悪魔達、誰もが強力で巨大な力を持つ者達。その一人がアイリーン。司る力は治癒。悪魔らしからぬ力ではあるが、性格上合ってはいる。


眼鏡をかけ青色の髪のおさげ髪。青いローブを纏うどこか素朴な雰囲気を持つ女性ではあるが、眼鏡をはずせば悪魔特有の妖艶さをもちギャップがすごいとされる。


基本的に弱者の味方であることから戦場に現れ自分の正しいとおもうほうへの治癒をする。


ジョンに対しては生まれた時から一緒なので四つ子の長兄のように思っているので、ジョン兄さんと呼んでいる。


治癒魔法を得意としながらジョンに教わった地球の現代医学も学んでおり、あらゆる菌を操ったり肉体を改造したり治療したりする。


悪魔的な心も持ってはいるが、どちらかというと慈愛が強いので下手な聖女よりも能力が高い。


人を好きであるし、種族問わず興味があれば友人にはなるが、肉体への医術的な興味のほうがあるので、どちらかというと解剖のほうに目線をいってしまうので、普通の恋とはほど遠いのでジョンを含め、他の兄弟とされる原初の悪魔達は心配している。


恋をするということはどんなことでもどんな性質を持つ者でも成長につながるものと思っているが。


アイリーンはまだまだ自分の力や魔法で治癒することに夢中なようだ。


アイリーンは素朴な美しさと妖艶な美しさを兼ね備えた不思議な魅力をもってはいるが、それでも興味がずれているのでは魅力ある恋とはいえないだろう。


ジョンも適度に邪魔にならないように友人を紹介したりはしているが、どちらかというと研究肌のようなのでなかなかしっかりした恋には発展しないようだ。


戦乱の日々が続くこの世界で恋の種は色々とあるだろうが、元々のスペックが高すぎる超越者に等しい種族はそういう事にはうまいことまわらないようだ。


何ごともうまくいくという事はないので、愛情や恋は誰かに与えられはするが、芽生えさすものではあるので、今後のアイリーンの女性性と母性にも期待するしかないのかもしれない。


恋や愛は悪魔には似つかぬものと思われがちだが、ジョンやジョンを含めた他の悪魔達も別種族や同種族と恋人や家族を形成しているので、少なくとも恋ができないわけではないだろう。


大切なものを見つけ、種族進化を果たした悪魔もいたくらいだし、悪魔に関わらず力を高め他者のために自らを差し出す者もいるくらいだ。


心や想いは少なくとも何かを変えるきっかけにはなる。アイリーンもまた永い時の中である程度恋や愛を感じたこはあったけれど、それでも不可解なものであった。触れて暖かさを感じたもののそれはどういうものかわかるまでに到達しなかった。


唇重ねても体触れても、それは永い間人を治癒し救ってきた弊害なのかもしれない。命という現場に触れてばかりいたから、恋という心まで芽生えるまでにはいかなkったのかもしれない。


ある意味自分の希望や欲望に遵守する悪魔としては正解なのかもしれない。だが希望をもって生きるのにはもったいないのかもしれない。


生きるというのはきっと苦難や悲しみもあるがきっと嬉しい事もある。

命とは永遠の中で感じるものもあれば、期限があるなかでわかるものもある。


美しくも燃えるような命の灯を救い続ける悪魔は命の灯に何の意味を知るのだろう。


司る治癒の力は再生の灯も灯しやがて命をも蘇生させる。


愛ではなく情をもって救い続ける救命の悪魔。


彼女に焦がれた者は多く、彼女の恋と愛を求めた男達もいた。


されど彼女が求めるのは救命の意思。


命を救うことに狂気を見いだした悪魔。


彼女は命の消失すらなかったことにする。


彼女はこの世界の特異点の一人になりつつあるが、それでもジョンを含め、他の兄弟達のほうが異質だろう。


治癒にかけては誰にも負けない素養はもつが、ジョンはそれ以上の奇跡を身に内在している。


原初の悪魔達は全員が特殊ではあるが、それ以上にジョン自体が悪魔としての存在ではなくこの世界の理すらも支配できるような存在強度と自らも世界を造れる力をもっているのもあるだろう。


ジョンはそこまでの力をもってももうしばらくは世界を造ることはしないだろうが、それは管理がするのが面倒なのと、それなりにこの世界やここに存在する関わりある者達を気に入っているからだ。


まあそんな風に生きているからこそこの世界でジョンもアイリーンも楽しんでいるのかもしれない。


こんな風であるが、ジョンもアイリーンもそれとなく家族としての関わり方をしているので、たまに連絡をとったり遊んだりはしている。


基本的に見た目が20代ではあるので若者達とあそんでも遜色はないので、最近の遊びにも精通しており、面白いことは順次やるようにはしている。


少なくとも空気がよめないということはなく、ありとあらゆる時代の娯楽や文化には合わせれるようにはしている。



まあそれでも治癒狂いの性質はなかなかなおりはしないが。




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