第3話北に向かって
やばい。楽しい。飲み食いも排泄も必要ない。ただ戦って、解体して、素材を集める。ついでに経験値も集める。ただそれだけの事なのに、すごく楽しい。すごく面白い。さっきの戦闘だってそうだ。如何にして綺麗な状態を維持して倒すのか。それに重きを置いて魔法でどうにかする。レイスだって事も最大限に利用する。気が付かれない位置からの攻撃で、どんどんと魔物を葬っていくのは良い事だ。それと、あれから大分移動したんだけど、経験値が良い場所があるんだ。普通に1体あたり6桁や7桁の経験値が貰える。まあ、11桁のマイナスに比べれば、少ないのかもしれないけど、素材も良いものが手に入っている。今の環境が一番いいんじゃないかな。この森は広すぎて、何処に何があるのかが解らないくらいには広いんだけどな。それも地図化のスキルや測量スキルがあるから、大体の位置は解っている。
今は徐々に北に向かっている所だな。気温なんて解らないから、北が寒いとかどうかは解らないんだけど、北の方が強い魔物が多くいるんだ。それで経験値を稼いでいけば、直ぐにVITもプラスになるとは思う。まあ、何というか、本当にこれだけで良いのかってくらいには、マイナスを減らせているからな。解体にも時間がかからなくなってきたし、本格的に狩りの体制に入ってきている。粉みじんにするのは勿体ないからな。素材は素材で確保した方が良いんだよ。肉も貴重な素材だ。後で使うんだから。骨も貴重だ。ある程度の事はしないといけないからな。先に集めておくのも悪い事じゃない。
何をしたいのか。国を作りたい。俺だけの国を。何者にも負けない国を。だから、その為には、色々と素材を集めないといけない。まあ、人は住めないとは思うけどな。人じゃなければ大丈夫だ。人に危害を与えられないからな。俺自身は。なら、俺から影響を受けた何かであれば、危害を加えても問題ない訳だ。そして、俺は神になる。まあ、そこまで言うつもりはないが、森の中で、良い感じの場所があれば、そこで町を作ってってのが第1目標だな。そこから色々とやっていくつもりではあるが、まずは良い感じの場所を見つけることだ。話はそこから始まる。まあ、それまでには、レイスも卒業したいとは思うんだけどな。魔物を鑑定していると、色々と解ってきたんだよ。
魔物は進化する。レベルを上げることで、種族を変えられるんだ。それが出来るようになるには、少しばかり時間がかかるとは思う。経験値を得られないといけないからな。11桁のVITのマイナスを0にしないといけない。……いや、0でも足りない。VITは無限に伸ばせるんだ。最低でも10億は欲しい。マイナスは110億な訳なんだけどな。それでも目途はついてきている。北に向かえば向かう程、強い魔物と遭遇している。……南には、人の町があるのかもしれないな。そこまで考えては居なかったんだけど、魔物が強い場所に人が町を作るのかって話ではある。普通は弱い所に作るよな? 戦闘民族でも無ければ。まあ、一番強い場所を探して、そこから円形に探索範囲を広げていけば良いのかなとは思っているんだよな。適した場所が何処なのかは、今一つ解ってないんだけど。でも、水があって、食べ物が無ければいけないだろうか? 町を運営するんだから、そのくらいは必要になってくるとは思うんだがな。……狙い通りいけば、ではあるんだけどな。ちゃんと狙い通りに行くのかどうか、それもやってみない事には解らないからな。
そんな訳で、どんどんと経験値の効率をよくするために、北の方向へ向かっている訳だ。北には何があるんだろうか。海でしたって事にはならないで欲しい所ではあるのと同時に、海も欲しいんだよな。生物が生きるためには、塩が必要不可欠だ。魔物の血液から塩分を抽出するのも良いのかもしれないが、そんな面倒な事はしたくない。俺は君臨すれど統治せずを貫きたい。行政手続きで追われるのなんて御免だからな。国は作りたい。けど、内政なんてしたくない。面倒だからな。まあ、ある程度はしないといけないんだろうけどな。そんな野望を持ちつつ、何とかしないといけない訳だ。そんな事をするには、色々と素材が必要になってくる。それを集めないといけない訳で。それに、レイスでは恰好がつかないのもある。レイスって、どうなんだろうな? 弱い魔物ではないとは思う訳で。霊体の魔物の中では、かなり強い部類になるんじゃないだろうかとは思っているんだよ。まあ、霊体でずっと居たいのかと言われると、微妙なラインではある。霊体のメリットとデメリットがあるからな。必ずしも、霊体が悪いという訳でもないし、良いとも思わないんだよな。どうにも、霊体で入っていける場所にも制限があるみたいだし。
特に地下だな。真下の方向に進もうとすると、何かしらの領域に阻まれるんだよ。何が邪魔しているのかはよく解っていない。鑑定でも異常は見られなかったからな。だから、何かしらがあることは解っている。まあ、地下500mくらいまでいかないと、そんな事にはならないんだけどな。地中に何かしらの魔物がいるかもしれないと思って潜ってみたんだけど、そんな深い場所には何も居なかったんだよな。けど、実験は大事だからな。トライ&エラーは大切だ。何事もやってみない事には解らないのだよ。冒険心は持っていないといけない。
北には、何があるのか。とにかく強い魔物が沢山居れば良いんだよ。その分経験値が美味しい事になるんだから。転生してから早1か月程度。もうVITの目途がつく程度には魔物を狩っているからな。その分の素材は手に入れている訳だ。まあ、他の転生者よりも有利な事には変わりない。だって、魔物だから、生まれた瞬間から行動できたんだもんな。今頃他の転生者は、何をしているんだろうか。まだ生まれていなかったりしてな。お腹の中で大きくなっている状態なのかもしれない。そっちの方が幸せなのかは、よく解らない。だが、今が楽しいのであれば、それで良くないか?
まだまだ行ける場所はある。1か月も北に向かっているのに、1周した感じがしないのは凄いよな。この星の大きさが伺える。まあ、そこまで急いでいないというのもあるんだけど、もしかしたら、人の生息域は、そこまで広くないのかもしれないよな。ここまで魔物の領域しか無かったわけだし。まだまだ発展させることは出来るとは思う。それを何故しないのかは、詳しい事は知らない。考えるだけ無駄なんだ。俺は魔物で、人では無いんだから。国を作りたいと言っても、住民は人の予定は無いしな。そこは色々と考えてあるので、その時まで待つしかない。寂しい国にはするつもりはないけどな。人口はそれ程抱え込めないとは思うけど。
さて、今日も移動はしてみたが、まだ強い反応が北から発せられている。まだまだ北に行く必要がありそうだ。時間をかけてでも、解体はしておかないといけないからな。今後を見据えて行動しなければならないんだから。寄り道も有りだが、まずは拠点となる場所を目指さないと。そこから徐々に探索範囲を広げていって、国を作っても良い場所を見つけたい。国を作ったら、どうしようかね? 楽しい場所にしたいのはそうなんだけど、何がしたいってのは、特に無いんだよな。でも、人とは関わらないようにしないといけないとは思う。だけど、資源の関係で、人とも関わらないといけないのかもしれないよな。そうなった場合は、どうしようかね?
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