新聞記事【1975年11月11日朝刊】

一部情報を黒塗りにしています。


【消えた仏像?狙いは金か——】


 山形県●●市の●●寺で、境内に安置されていた仏像の一体が盗まれる事件が発生した。


 被害に遭ったのは三十体あまりの仏像のうちの一体。犯行は9日未明、午前3時から5時ごろの間とみられている。防犯カメラは設置されておらず、現場には有力な手がかりが残されていなかった。


 寺の関係者は「なぜこの仏像だけが狙われたのか分からない」と話し、突然の出来事に困惑を隠せない様子だ。


 近年、仏像を狙った窃盗事件は全国的にも増加している。多くは金銭目的とみられるが、今回の事件はそれとは異なる様相を呈している。


 併設された蔵も荒らされており、内部に保管されていた古い書物の一部が黒く塗りつぶされていた。特に、盗まれた仏像に関する記述だけが消されていたという。


 警察は金銭目的の犯行のほか、宗教的な背景が関係している可能性もあるとみて、慎重に捜査を進めている。

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