第3話 旅の始まり
リルはサーシャのお墓参りをした後、ブルーム村の中を歩いてみることにした。
残念なことに、この村には、冒険者ギルドはなかった。
そこで、村人に冒険者ギルドがどの町にあるのか村人に聞いてみることにした。
「あのう、すみません。」
「見ない顔だねえ。旅人かい。」
「はい。旅をしています。」
リルは、おばあさんの問いかけに、話を合わせることにした。
「この村の近くに、冒険者ギルドがある町の事が知りたくて、声を掛けさせてもらいました。」
「冒険者ギルドかい。」
「はい。」
「冒険者ギルドがあるのは、魔の森の東側にあるサンシーか、帝都へ向かう途中にあるブレンハイムになるね。両方とも歩きで二日かかるさね。」
「ありがとう。じゃ、サンシーに行ってみようかな。」
「サンシーは、ブルームの村を出て、街道を右に魔の森に沿っていくと行けるよ。」
「ありがとう。」
「魔の森沿いの街道だから、たまに魔獣が出ることがある。危ないから気を付けて行きな。」
「ありがとう。おばちゃん。これ、お礼だよ。」
リルは懐から、1㎝程度の水晶を取り出して、渡そうとする。
「こんなものいらないよ。旅をしているんだろう。
困った時のために、自分で持ってな。
それにこんな貧しい村でこんな高価なものを持っていると危険さね。
誰に襲われるかわかったもんじゃないさね。」
「・・・それだとお礼ができない・・・。」
「良いんだよ。気持ちだけ受け取っておくさね。」
「ありがとう。」
「気をつけてね。」
リルは、村の門から出ると、右手の街道沿いを歩き始めた。
会話は大丈夫そうだな。
じゃあ、サンシーに行ってみよう。
そして、冒険者登録をしよう。
そう決意すると、魔の森に足を向け、森の中へ入った。
途中、森の中で、ボアを見つけたので、風魔法で首を切断し、仕留める。
血抜きをし、生活魔法のフォティアでボアの肉を炙って、食事を摂った。
声を掛けたおばさんからは歩いて二日と言われたが、森の中を突っ切れば、リルの足ならば半日で着く。
普通、森の中は危険なのだが、リルは何事もなく、森を走り抜け、サンシーの町に到着した。
ただ、ブルームの町を出たのが昼過ぎだったため、到着した時には既に辺りは暗く、町の入場門は閉ざされていたので、リルは森の中で一晩寝ることとした。
リルは、収納からサーシャと一緒に寝ていた寝袋を出し、寝袋の周辺直径100mの範囲に結界を張り、寝ようとする。
すると、「きゃー、たすけてー」と叫び声が聞こえたのだった。
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