第4話 人助け
リルは聴覚を研ぎ澄まし、悲鳴の聞こえた場所へ向かう。
すると、暗闇の中、ゴブリン3匹に襲われている猫獣人の幼女を見つける。
「アネモス」
リルは無詠唱で幼女に結界魔法をかけると、風魔法を使い、ゴブリンを吹き飛ばした。
「大丈夫かい。」
「・・・ありがと・・・」
吹き飛ばされたゴブリン3匹が怒りの形相で戻ってくる。
「ケラウノス」
ゴブリン3匹に落雷が落ちる。リルの雷魔法だ。
「これで大丈夫。一人かい。」
「・・・・・・。」
「何故こんなところに?」
「・・・奴隷商人から逃げてきた。」
「そうなんだ。大変だったね。」
「うぅぅ、うわーん。」
幼女は突然泣き出した。
「辛かったね。」
リルは幼女を優しく抱きしめ、幼女の頭を優しく撫でながら、落ち着くのを待った。
しかし、幼女は、安心したのか、いつの間にか、寝てしまった。
止む無く、リルは寝袋まで戻り、〈カサロス〉と呪文を唱え、幼女を身綺麗にすると、寝袋で寝ることにした。
朝になり、目を覚ますと、リルは幼女を起こさないように静かに寝袋から出る。
近くにクエオを見つけた。クエオはウズラのような鳥である。
それを風魔法で仕留め、血抜きをし、羽をむしり取り、〈フォティア〉で肉を炙った。
すると、幼女が肉の焼ける匂いで目を覚まし、リルに近づいてくる。
「ご飯食べるかい。」
幼女はコクコクと頭を縦に振る。
リルは幼女にクエオのもも肉を渡す。
「どうぞ。」
「ありがと。」
幼女は噛みしめるようにゆっくりと咀嚼する。
「おいしい・・・うぅぅ。」
幼女はすすり泣きながら、もも肉を完食した。
「まだ食べるかい。」
「ありがと。お腹一杯になった。」
「よかった。」
ここで、リルは幼女に昨日聞けなかったことを聞いてみることにした。
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