大丈夫でいるためのおまじない

大丈夫だと思っていたのに22時を過ぎてからすべてがガタガタと崩れていくかのようにダメになってしまった。どうしていつもこうなんだろう。頭が痛い。何も考えたくない。明日のバイトのこと。学費のこと。恋人のこと。なんだかんだで先延ばしにしている病院のこと。SNSに毎日流れてくるいろいろな名前しか知らない病気のこと。しんどくなってしまった。


ドラマで主人公が言っていた、「悩み事があるなら言ってほしい」という言葉。言って解決するなら、私は今すぐにでも道路のど真ん中に大の字で寝転んで悩みを言いまくる。どれだけ渋滞が起きても、怖い大人たちに怒られたとしても。


目を閉じて眠りについたら二度と起きませんように。そう願っても、朝がくれば簡単に目は覚めてしまう。何度も何度も願ったけれど、今日も私は生きている。嫌な夜を数え切れないほどこえて、今を生きている。



昨日「明日は早起きしてカフェで勉強しよう」と心に決めておいたおかげで、朝はそれほど苦しくはなかった。6時半にアラームを設定して結局起きれたのは7時だったけれど、それでもいつもより少し早起きだったからよかった。8時半過ぎ、家を出て駅に向かった。朝の空気は冷たくて気持ちが良かった。9時過ぎにカフェについて、あまりレポートは捗らなかったけれど、それでもあまり気分は落ちなかった。


昨日から感じている喉の痛みを我慢しながらバイトを終え、ご飯を食べる。血糖値が上がってねむくなってきた。


昨日は明日なんて来なければいいと思っていたのに、今日を終えた今あんまり悪い日ではなかったと思う。唯一嫌なことがあったとすれば、痔が切れ痔に進化したことくらい。病院に行こうと思う。長引かせてもいいことは無いのだから。


とはいえ、今日もまだあやしい。1時間後には世界の全てを憎んでいるかもしれないし、昨日みたいに涙を流したあと眠るかもしれない。そんな危うさが嫌になるし、考えただけで苦しくなる。


それでも、今日を終わらせるために眠りにつくまでは生きないといけない。当たり前にあると信じてしまう明日が、当たり前に終わることを願って、明日の今頃、今日は頑張ったと思えることを願って。


明日も早起きをしてカフェに行こう。朝を感じて、昼ごはんを食べて、働いて、家に帰って、眠る。明後日はきっと楽しい日になるはずだから、そのための準備だと思って明日を耐えなくては。


大人になったらなにをしたい、は20歳を過ぎても有効なのだろうか。もし有効だとしたら、私はお金持ちになりたい。あと、指パッチンで痔を治せるようになりたい。

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