ミューズ(粗大ごみの女神)

粗大ごみの女神を捨てにいく。深夜遅く、寒さに震えながら、僕は再び粗大ごみの女神を育ててしまった。


僕の妄想。密かにこびりついた貧乏神のように、それはプラスチックの造花のように部屋を飾る。ただいつの間にか埃にまみれ色褪せた女神となって僕を縛りつける。


例えば旅を夢見て、それが死地へのお遍路だと気がついて、足はぼろぼろ、腹は下して、それでも素晴らしい旅だったと満足させよう。


そしていつしか草臥れた男の顔がそこにあるだけで、粗大ごみの女神は微笑むのだろうか?

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