「何かを忘れている」という、胸の奥に刺さった小さな棘。本作は、無気力な日々を送る高校生・流星が、夢の中で一人の少女と出会い、自身の凄絶な過去と対峙する物語です。日常の風景が、ある一通のニュースを境に「塗りつぶされた記憶」へと変貌していく構成が実に出色。生者と死者が、夢という境界線で手を取り合い、託し、託される。「悲しい別れ」を「未来への約束」へと昇華させる、祈りに満ちた一編です。
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