第6話 残酷な別れ3
「嘘だ! ヴィクトルがそんなことを言うはずがない」
「いいえ、言ったのよ。あなたが邪魔だって。もし上手く別れられないのなら、私にあなたの身を任せるって。それって、どういう意味か分かる?」
ヴィクトルが王女に、僕を殺してもいいと言ったのか?
まさか! そんな……。だまされるな。だってヴィクトルはさっきだって、騎士の誓いを口にしたじゃないか。僕たちにとって、人から敬われるような騎士になるのは夢であり、騎士道は人生の指針だ。
ヴィクトルは、騎士の名前に背くようなことは絶対にしない。
「信じません。ヴィクトルは野心家だけれど、卑怯な手で未来を手に入れたりしない。彼は高潔な男です」
「なんて憎らしい! じゃあヴィクトルが頼んだ通りにしてあげる」
突然ロラがノアの首元を飾るクラヴァットを摑んで、思いっきり引っ張った。
首に回された縄を、いきなり力任せに引かれたのと同じで、ノアは踏ん張ることもできずに足を踏み出し、頭が王女の上に傾いだ。
ノアが体制を立て直す間もなく、王女が悲鳴を上げてドレスの胸元のレースを引き裂く。いったい目の前で何が起きたのかも理解できぬまま、ノアは背中に熱さを感じて膝をついた。襲い来る痛み。
「助けて。襲われたの」
違うと手を伸ばして言い分けようとした瞬間、再び激痛が走る。ノアの意識は遠のいていった。
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