第5話 騎士の誓い4

 ヴィクトルが額をこつんとノアの額にぶつける。ノアは驚きで頭が真っ白になり、固まったままヴィクトルの顔が傾ぐのをボ~ッと見つめていた。唇に熱くて柔らかなものが触れる。


「親友の、いや魂のパートナーに捧げるキスだ。戦地で俺は言っただろう。死ぬときは一緒だと。そのくらいノアの存在は大切なんだ」


「……う、うん。そうか……そうだよな。僕たちは、死地の返り血で祝福された魂のパートナーだもんな。他の奴らが間に入ろうとしたら嫉妬するのは当たり前で、おかしくはないんだな」


「ああ、全然変じゃない。だから余計なことで悩んで俺から去ろうとするな。俺たちは、ずっとずっと一緒だ」

 

 宮廷の庭園のベンチの上で、ノアは真剣な顔で言い切ったヴィクトルの言葉を思い出し、ロら王女に睨まれようと何も心配はいらないんだと思い直した。

 それにしても、相変わらず女を口説くようなヴィクトルの口ぶりや態度には、毎回困惑するし、ドキドキさせられる。

 しかも魂のパートナーへのキ、キスだなんて、思い出すだけで顔に血が上る。

 赤く染まった頬を両手で叩いて、ノアはここが宮廷の庭で、今は舞踏会の最中なのだから、ほうけていてはいけないと気合を入れた。


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